ヴィルからの評価
イザベルがそっと一枚の紙を差し出す。
「ヴィルおじいさまが用意してくれた、スケジュールと能力評価よ」
「どれどれ……」俺は興味津々で目を通す。
午前:鍛錬+クリスとの模擬戦
午後:イザベルとの魔法鍛錬 → 再び鍛錬
夕食後:鍛錬
入浴後:鍛錬
就寝前:鍛錬
「アホかぁぁぁ!!!」思わず紙に突っ込みを叩き込む。
まるで休む暇などない拷問スケジュール。
気を取り直して能力評価の欄へ目をやる。
魔力素質:5
力素質:8
魅力:10
当主素質:10
精神力:5
「……さっぱりわからん」首をひねる俺に、イザベルがクスクス笑いながら教えてくれる。
「ちなみに、これね……満点が5点なの」
「天井突き抜けてんじゃねーか!!!」
全力で二度目のツッコミを入れる俺。
イザベルはそんな俺を見て肩を震わせ、笑みを隠せずにいた。
イザベルはクスクスと笑いながらも、ふっと真剣な声色に変える。
「それだけ期待されてるんだろうね。私も最初は思わず笑っちゃったけど……」
柔らかく紙を撫でながら続ける。
「でも、ヴィルおじいさまは適当に数字を書く人じゃないの。きっとレイズ君には、それだけの素質があると見抜いてるんでしょうね」
イザベルの真っ直ぐな眼差しに、レイズは思わずドキリとする。
その眼にはからかいもお世辞もなく、純粋な信頼が宿っていた。




