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【悪役転生 レイズの過去を知る 】―俺だけが知る結末を、今度こそ覆す―  作者: くりょ
レイズを知る。

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夕食はお祝いですよ。


ヴィルは木刀を構える俺を一瞥すると、静かに言った。


「……では、私は仕事がありますのでここを離れます。夕刻には食事をたくさん用意しておきますから、しっかり食べるように」


「ま、待て……ヴィルぬぬぬぬぬぬぬぅぅぅ!」


木刀を必死に抱え込んだまま、俺は全力で引き止める。


ヴィルは振り返り、首をわずかにかしげた。


「なんでしょう?」


「その夕飯って……今日はなにが出てくるんだぁぁぁぁぁ!?」


ほんの一瞬。

ヴィルの口元が、わずかに緩む。


「そうですね。今日はお祝いに……象を一頭、こしらえようかと」


「アホかあああああっっ!!!」


反射的に木刀をぶん投げ、全力でツッコミを入れた。


「ヴィル、頼む……ヘルシーなのにしてくれ! 俺は痩せたいんだよ!!」


頑なな俺の態度に、ヴィルは眉をひそめ、珍しく声を荒げた。


「そんなことをしたら餓死してしまうだろうが!!」


憤慨したまま踵を返し、足早に去っていく。


俺はその背中に叫んだ。


「……ほんとに、あんたらの感覚おかしすぎるんだよ! 俺だけ? 俺だけなのか……!?」


訓練場に、虚しく声が反響する。


やれやれ、とため息をつきながら、先ほど投げてしまった木刀を拾い上げる。


「んぬぬぬぬぬぬぬぅぅぅぅぅ……!」


全身を震わせ、意味のない雄叫びを上げながら素振りを始める。


優雅さの欠片もない。


だが、どこか必死で。


どこか、眩しかった。


(さっきの炎といい……あのじいさん……)


木刀を振りながら、俺はぼやく。


(絶対、俺のこと嫌いだろ……)


額から汗が流れ落ちる。


だが。


レイズは知らない。


ヴィルほど――


この少年を愛してやまない存在がいないということを。


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たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。 完結済の長編です。レイズたちの物語をぜひ最初から。
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