121/797
計画の誤算
王国とレイバードが描いた計画。
それは――アルバードを外堀から削り、二大巨頭ヴィルとセバスがいなくなれば、自然と瓦解するという筋書き。
後を継ぐのは、力なき当主。
あるいは、当主にすらなれぬ愚物。
……本来のレイズは、そうなるはずだった。
だが現実はどうだ。
今のレイズは、血の誓いを結び、魔族すら言葉で退ける力と、仲間を導く器を備え始めている。
彼はもはや「力なき存在」ではない。確かに“アルバードの当主”として立っている。
それを――王国も、レイバードも、まだ知らない
それはまだ誰も知らない、ほんの小さな揺らぎ。
だが間違いなく――未来に訪れる変化は、すでに確約されていた。




