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第二十七話 「金色の髪飾り」

翌日――。


俺たちは再び冒険者ギルドを訪れていた。


依頼掲示板の前には、多くの冒険者が集まっている。


「どの依頼がいいかな?」


ルシアが掲示板を見つめながら呟く。


「これなんかどう? 薬草集め。」


レオンは苦笑した。


「えぇ……初依頼にしては地味すぎない?」


「そう、かな……?」


その時、ギルが口を開いた。


「依頼もそうだけどさ、大事なこと忘れてないか?」


「大事なこと……?」


ルシアが首を傾げる。


「パーティ名だよ。」


「あっ……忘れてた。」


アルは笑いながら言った。


「まぁ、どっちも焦らず決めようよ。」


「そうだね。」


その時だった。


受付の方から声が飛んでくる。


「ア、アルさーん! 少しよろしいですかー?」


フローラだった。


「ちょっと行ってくる。」


アルは三人を残し、受付へ向かった。


______________


「先日頼まれていた資料なんですが……。」


フローラは申し訳なさそうに頭を下げた。


「実は、第七観測区画の資料だけ、ほとんど残っていないんです。」


「……ほとんど?」


「はい。」


「唯一残っていたのは、第七観測区画の地下に居合わせた人の証言だけでした。」


アルは静かに耳を傾ける。


「証言によると、襲撃した魔人は刀を使い、金色の髪飾りを身につけていたそうです。」


(……やっぱり。)


(グレイスを殺した、あいつだ。)


アルは拳を強く握り締めた。


「ありがとうございました。」


「いえ……お力になれず、すみません。」


アルは小さく首を振る。


「十分です。」


そう言って三人の元へ戻った。


______________


「何話してたの?」


ルシアが尋ねる。


「ちょっと昔のことをね。」


アルは微笑みながら答えた。


「それより、初依頼決まった?」


レオンは肩をすくめる。


「全然。」


「これだっていう依頼がなくてさ。」


ルシアが掲示板を見ながら言う。


「今日はゆっくり決めよ?」


「初めての依頼だし、焦って決める必要はないもん。」


「そうだね。」


レオンも頷く。


「じゃあ、とりあえず昼ご飯にしよう!」


「お腹空いたし!」


「賛成。」


四人は笑いながら食堂へ向かって歩き出した。


冒険者としての日常が、ようやく始まろうとしていた。


〈二十七話・了〉

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