第二十話 「逆襲」
試験時間・残り四十五分。
「……ルシア? レオン?」
返事はない。
「ルシア!! レオン!!」
「……ア、ル?」
最初に反応したのはレオンだった。
「僕らは……あれ……?」
レオンはゆっくりと身体を起こし、辺りを見回す。
そして、すぐに顔色を変えた。
「旗は……?」
「なくなってる。」
(レオンとルシアは眠らされていただけか。)
俺は胸をなで下ろすと、すぐに表情を引き締めた。
「何があったか説明しろ。」
ギルが低い声で言う。
「アルが出て行ってから数分後だったかな……。」
「Dチームの奴らに襲撃されたんだ。」
(Dチーム……。)
(俺とギルが前線を離れるのを見て動いたのか。)
(いや、それだけじゃない。)
(最初から、この状況を狙っていたのか。)
その時、ルシアもゆっくりと目を覚ました。
「……アル? 帰ってきたのね。」
「とりあえず、現状を整理する。」
そう言った瞬間だった。
「だから、作戦なんて必要ねぇ。」
ギルが吐き捨てる。
俺はギルを真っ直ぐ見た。
「諦めが悪いな。それでさっき負けそうになっただろ。」
「俺はまだ負けてねぇ!」
ギルは鋭く睨み返す。
「少しは認めたらどうなんだ。」
「お前が勝手に突っ込んだから、二人は危険な目に遭って、旗まで奪われたんだ。」
「……。」
ギルは何も言い返さない。
「少しは自重しろ。」
しばらくの沈黙の後、ギルは舌打ちをして吐き捨てた。
「……好きにしろ。」
(ギルは絶対に従わない。)
(なら、無理に従わせる必要はない。)
(あいつは、あいつの性格ごと利用する。)
俺は三人を見渡した。
「これから作戦を説明する。」
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数分後――。
「クロード! また来たぞ、あいつ!」
木の上からニキが叫ぶ。
「本当、しつこい奴ね。」
ミリアが呆れたように息をつく。
クロードは静かに剣を構えた。
「さっきと同じ連携で迎え撃つ。」
四人はそれぞれの持ち場へ散り、迎撃態勢を整える。
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一方その頃。
俺たちは森の中を駆け抜けていた。
木々の間を風のように走り抜ける。
「なぁ、アル。」
レオンが息を切らしながら聞く。
「どうしてDチームがいる場所が分かるんだ?」
「魔力の跡だ。」
俺は前だけを見据えたまま答える。
「まだ微かに残っている。」
「俺たち以外の魔力が、この先まで続いてる。」
「そんなことまで分かるのか……。」
レオンは驚いたように目を見開く。
「僕には全然分からないよ。」
「そのうち分かる。」
俺はゆっくりと足を止めた。
木々の隙間から、小さな拠点が見える。
その中央には――
Cチームの旗。
「……見つけた。」
Dチームの本拠地だった。
〈二十話・了〉




