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17―1.閑話:王家の秘め事とアルドンとの密約

ここから2話はアンネリゼ視点の話となります。

世界観の説明などが入り、シリアス展開で

長い説明も入ります。


ですが抜かせないなと思い、入れました。

楽しんで頂けたらと思います。

 わたくしは、アンネリゼ・フォン・メルクリウス。

 メルクリウス公爵家の第1子でございます。


 本日は、アルドン侯爵に脅されたり、アレクと言う従兄弟に、この領地で会うなどと目白押しでしたわ。

 

 今は植物園の視察を終え、研究棟の応接室で一休み中です。


 クラリスがバナナケーキという、美味しいものを用意して下さったので、今日の喧騒を忘れられそうですわ。


 バナナケーキを最初に食べ始め、既に3本平らげたフィンが、4本目の途中で気づきました。


「あれ?クラリスとベリルさん、遅くなるなら連絡を入れると言ってなかったっけ」


「……あなた、バナナケーキに夢中になっていただけではなかったのですね、驚きましたわ」


「一応、魔導騎士目指してますから!周りには警戒シテマスヨ!」


 ちょっと語尾が怪しかったですわ。

 

 フィンは力の温存を無意識で行うらしく。

 守護するべき人だと判断しても、強い人がいる時は余り警戒しないのです。

 けれど、周りが弱いと判断すると警戒するようになると言う、野生の生き物みたいなお人です。

 

 今はベリルさんが居なくなっているので、警戒しているのかもしれません。


「……確かに。フィンの言うとおりですわ。もう30分程度は経っていましてよ」


 ナッティの言葉に、自分の侍従に目配せすると、頷きが返ってきます。確かに経っているようです。


 その時です。

 フィンが急に立ち上がりました。


「皆、侍従も含めて、ちょっと静かにして。出来れば息も音をさせないで」


「え?どうしましたの?」


「アンネ様、お早く。フィンの言うとおりにして下さいませ」


 ナッティの焦った声に、ハッとし返事は頷く事で返しました。


 それから10秒程待っただけですが、フィンが顔色を変えました。


「これは、護衛が出す緊急事態を知らせる音だ。お父様から教わっていたから間違いない」


「な、なんですって!」


「驚いている場合ではございませんわ、アンネ様!フィン、音を辿れそうですか?」


「うん!行こう!」


 ナッティもフィンも、緊急事態に慣れているかの様に、急いで入り口に向かいます。


 ──わたくしだって、師匠の弟子ですわ!

 何か力になれるはずです!


「あなたたち!侍従はここを片付け魔道車まで引き上げなさい。護衛は、」


「アンネ様、失礼しますわ。

 護衛は、ここまでが1、ここまでが2、ここまでが3。以上三班に分かれ、1は侍従の護衛。2は建物内の異常確認。3は魔道車を最速で走らせ侯爵邸へ救助連絡を入れなさい」


「ナッティ!連絡は魔道具で!護衛を離してはなりませんわ!」


「アンネ様、落ち着いて下さいませ。

 あのベリルさんが緊急音を出しているのです。クラリス様に何かあったという前提で動かねばなりません。通信魔道具は心得がある者ならば簡単に封鎖できます。人が行って知らせるのが一番です」


 ナッティが何故ここまで冷静に、かつ頭が働くのか混乱しそうです。でも、全く間違いではございません。

 ここは従いましょう。


「2班!建物内の異常を確認しましたら、わたくしかアンネ様に!さぁ、フィン、うるさくして申し訳なかったわ!お願いします!」


「うん!じゃ、皆!辿るから移動も静かに!」


 フィンも、ナッティの指示が終えるのを待っていました。

 

 わたくし、置いていかれないようにしなければ!

 



 ==============

 


 

 足音を余り立てないように、早歩きでフィンの後に続いております。


 そのフィンが早歩きをしながら、怪訝そうな顔で周りを見渡しています。


「…………おかしい」


「失礼、声を出しますわ。何か変なのですか?」


 ナッティの言葉に、フィンが続けます。


「人の気配が無い。正確には、わたしたち一行以外の、だけど。」


「ええ!?」


 思わず声を上げてしまい、指で口を押さえます。人の気配が無いというのを確かめようと、静かに周りを見ます。

 近くに窓がありましたので、下や上を覗きますが、全く人影が見えません。


 ──植物園とはいえ、遊歩道やベンチ、ガゼボまでありますのに、全く人がいませんわ。


 急に作為的に仕組まれた事を理解し、冷や汗が流れます。これまではどこか楽観視してたのだと、フィンやナッティが事を大きくしているのだと思っていたのです。


 ──本当に、ベリルさんが倒されたとしたら。一緒に居たクラリスは…………。


「…………フィン、急ぎましょう」


「うん」


  急ぐ為には、フィンに小声で先を行くようお願いするしかありませんでした。

 


 ============

 

 

 そうしてフィンの先導で、建物が増築されたと分かる部分まで来ました。そこは床や壁などが新しさを隠せない所だったからです。


 その増築部分の、ひとつの扉の前でフィンが立ち止まりました。


「…………ここだ、この扉から聞こえる」


 3人で顔を寄せ合い、出来るだけ小声で話します。


「人の気配は1人分……だけど魔道具で気配を殺している可能性もあるから、2人は待ってて。わたし1人で突入する」


「音を出しても良くなりますから、アンネ様は、フィンが突入後、建物内の護衛に知らせて下さいませ。建物の外に光を強めた火魔法で3回魔法を打ち出して下さい。植物園ですので火加減には注意ですわ」


「分かりましたわ。得意ですから任せて下さいませ」


「じゃ、行くよ」


 3人で頷き合い、突入しました。



 ============



 突入しましたが、

 そこに居たのはベリルさんだけでした。


 ベリルさんは今にも意識を失ってしまいそうですが、フィンに何かを話しているのを、魔法を行使しながらも確認出来ました。そして少しだけ話をした後、気を失ってしまったようです。


「これは、意識を奪う薬と魔道具の合わせ技ですわ。ですので、いずれ目は覚めるとは思います。ですが詳しい事は薬や、こういった魔道具に詳しい者に確認しないと不明です」


「……ベリルさん、わたし達に30分後に連絡すると約束していたから、それまでは抵抗して、きっかり30分後にこの魔道具に魔力を送っていたみたい。凄い気力だと思う」


「そんな事をすれば、場合によっては最悪の事になりかねませんわ!」


 ナッティもフィンも、悪くありません。でも、声を荒げてしまいます。


「……ベリルさんは、『クラリッサ様をどうか、お願いします』と言って気を失った。

 ……クラリスを、助けないと」



 バタバタバタバタ!!


 3人でベリルさんを囲んでいると、2班に任命した護衛がやってきました。


 1人はアルドンの者だったので、ベリルさんが倒れている事に驚愕の表情をしました。けれど、次の瞬間には立て直した様です。


「…………!、報告します!

 現在、植物園は一般の者も研究者も立ち入り禁止となっており、我々以外の者はおりません!」


「先程、立ち入り禁止にも関わらず40代くらいの不審な動きをする男を、約30分前に入口付近で見たと目撃証言があります!目撃者は複数。全員研究者であり、急な立ち入り禁止を訝しみ近くで解除を待っていたとの事!不審な男は現在追跡中であります!」


「ありがとう皆。2班の半分は引き続き建物内の捜索。半分は建物外をお願いします。侯爵家から救援が来るはずですから情報を引き継いだ後は、本来の護衛任務に戻って下さい。解散!」


「「はっ!!」」


 ナッティの指示で、報告をする為にここへ来た護衛2人は敬礼し去っていきます。


「ナッティ、慣れてますわね……わたくし、自身を失いそうです……」


「アンネ様、申し訳ございません。差し出がましいとは思いましたが……領地では、お恥ずかしながら陣頭指揮も取ったりもしておりまして」


「さあ、おしゃべりは後にしよう。ベリルさんをお医者さんに見せないと。出来れば、目を覚まして情報を教えてくれると良いんだけど」


「………………」


 ナッティは、顎に拳を当てて黙ってしまいました。


 ──わたくしも、分かりますわ。

 

 多分ベリルさんは簡単には目覚めないだろうと。こういった場合、殺しもせず置いていくのは、薬や魔道具に自身があるという事です。

 現場にいて、生きているのですから唯一の目撃者を目覚めさせるよう、手を尽くしてしまうでしょう。

 でも、それは。


 本命を遠くに運ぶための時間稼ぎ──。


 急ぎ、侯爵邸へ戻る事にしました。



 ===============



「ベリル!!!」


 侯爵邸に着くと、魔道車へ駆け出して来たのは、アルドン家筆頭執事のバーナードでした。

 

 護衛の1人がベリルさんをバーナードに預けます。バーナードは一見ひょろりと見えるのですけど、ちゃんと安定して抱き上げています。


「バーナード、申し訳ありません。わたくし達がもっと早く気付いていれば…………」


「謝罪は結構」


「アルドン侯爵……」


 バーナードはこちらに駆け出して来ましたが、侯爵夫妻が扉の前に悠然と立っていました。

 そして、今まで聞いたことがない低い声で、謝罪は必要ないと言われてしまいました。


「来なさい。

 粗方の報告は聞いたが、話さねばならぬ事がある」


「畏まりました」


 軽く膝を曲げる礼をし、急ぎ足の夫妻の後に着いて行きました。



  

==============


 


「重要事案を話し合う。侍従と護衛は外させろ」


 執務室の前で立ち止まり、そう言われました。それぞれ自分達の侍従と護衛に目配せし、侯爵、侯爵夫人、わたくし、ナッティ、フィンのみ入室します。



「……さて、アンネリゼ嬢。

 そなた、王家と我が領地の契約は知っているか?」


「…………はい」


「そうか。では3時間だ」


「え……、3時間ですか?何を……」


 ゴオオオオオォォォォ…………!!!!


 わたくしが少し質問すると、侯爵から発せられた銀色と紫色が混じった、凄まじい魔力が部屋に吹き荒れました。、 


「きゃあぁぁぁ!」


「ひっ………………」


「わぁぁぁぁ!!!」


 ──3時間の意味が分からないだけで、凝縮した魔力で圧力をかけるなんて!


「ジェサイア!!!!!」


「………………………………」


 侯爵夫人の声がしたと思うと、魔力の圧力が、フッと弱まりました。消えた訳ではございませんけど、倒れ込むほどではありません。


「仕方ない。

 そこの2人にも酷だしね。結論から言う。3時間内にクラリスが無事に戻らなかった場合、アルドンの小結界を消す」


「「「なっ…………!」」」


「もちろん、それだけではない。関係した者は家族を含めて処分する。まぁ、これは助かってもやるけどね。僕から話す事は以上だ。下がれ」


「お待ち下さい!アルドンの小結界が無くなれば大変な事になります!お願いです!どうか、ご再考願いますわ!」


 ゴオォォォ!!!


「きゃ……!」


「これは王家との契約によって行う事である。大変な事と理解しているならばクラリスをここに戻せ。王姉の娘、聖盾(せいじゅん)を補う者よ」


 ──わたくしの役目も知っていらっしゃる……。


 魔力の嵐が起こりますが、今はわたくしにだけに圧力をかけられている様です。強大な魔力かつ操る力も圧倒的です。 


 ナッティとフィンが、手を伸ばしてくれてます。

 でも、手を取れないくらいの圧力です。

 

 このままでは不様に倒れると、思った時です。侯爵夫人が、わたくしと侯爵の間に入りました。

 

 フッと、急に楽になり、身体がふらついてしまいます。結局ひざを着いてしまいました。


 それをナッティとフィンが両側から腕を掴み、支えて立ち上がらせてくれます。


 わたくしと侯爵の間に立った夫人、カトリーナ様の凛とした声が聞こえます。


「ここからは、わたくしが話します。良いですね?ジェサイア」


「……………………」


 わたくしからは、侯爵が見えません。

 ですが、ナッティを見ると、少しだけほっとしているように見えました。多分ですが、侯爵が頷きで返したのだと思います。


「さぁ、貴女たち。時間がありません。わたくしの私室に移動しますよ」

 



 =============



 

 執務室から出て、カトリーナ様は自ら扉を閉めました。

 

 周りを見ると護衛も誰も居ません。

 扉の前からも人払いをするとは、侯爵の本気が伺い知れるようで、全身から血の気がサーッと引いて行くのが分かりました。


「アンネ様、大丈夫ですか?まだ侯爵の魔力の影響が?」


 ナッティとフィンは、先程から身体を支えてくれているままです。少し身体が震えてしまったので心配してくれたのでしょう。


 ──もし、アルドンの小結界が消えてしまったら。


 何も言えないわたくしを無視するように、カトリーナ様がフィンに向かって話しました。


「フィンちゃん。

 今から街のホテルに行って、アレクシス殿下を連れていらっしゃい。侍従のエドワードの力も役に立つでしょう。一緒に来るよう言いなさい。わたくし達は、わたくしの私室におりますから」


「畏まりました!行ってまいります!あ、そこのバルコニーから出ても?」


「帰って来る時は入り口から入りなさい。私室に案内させます」


「はい!」


 そう言うと、フィンはまさに風のように、出ていってしまいました。


「さあ、フィンちゃんが居ない間に話し合いますよ。すぐに戻ってくるでしょうから」


 そうして、わたくしとナッティは、執務室近くの夫人の私室に案内されました。

 


 ============



「カトリーナ様。なぜフィンは追い出し、ナッティは残しましたの」 

 

 扉が閉まって、すぐにカトリーナ様に声をかけさせて頂きました。理由を明確に教えて頂ける方だと信用しているからです。


「それを聞く前に、ナッティちゃんの覚悟を聞きましょう。

 ナターリエ。貴女に聞きます。ここから先は王家と当家の密約を話す場になります。知り得る覚悟はお有りかしら?」


 ナッティはわたくしの顔を見ましたが、すぐ夫人に向き直しました。


「あらゆる状況や情報が無ければ、3時間以内にクラリッサ様を救う事は出来ないと判断します。教えて下さいませ」


 ナッティの横顔は、先ほど指揮を執っていた表情と同じものでした。


 ──わたくしも、覚悟しなければ。


「さぁ、アンネちゃん。ナッティちゃんが覚悟を決めたようなので、話してあげなさい」


 ナッティは真剣な表情でわたくしを見つめています。カトリーナ様は、クラリスを助ける為には王家の秘密を打ち明ける必要があるのだと考えているのでしょう。


 クラリスの誘拐には様々な思惑が関係しているかもしれません。


 情報提示は必要なのだと、覚悟してナッティに向き合いました。


「はい………………ナッティ。

 実は、もう王家には大結界を維持する力はほとんど残っていません。

 なので、この地の小結界が消えれば大結界も時を置かずに消えるでしょう」


「先程の侯爵の話から予想はしていましたわ。でも、なぜ他の領地の小結界があるにも関わらず、ここだけの消失で大結界まで消えるのかが知りたいのです。

 こちらも予測は出来ているのですが」


「さすが、ですわ。本当に。

 昔、王家の者が過ちを犯し、今の王都周辺のみを残して中心の結界が縮小しました。王家の過ちは周囲にも及び、大きな領地も分割され小結界はどんどん小さくなっていきました。

 その際、支えきれないと判断した王家は様々な機能を大結界から外さざるを得なかったと聞いています」


「なるほど、文献は正しかったのですね」


「ええ……その通りです。

 それが大体300年ほど前の事と聞いております。当時は、領地を分割し、機能を減らし、中央部分が縮小しても問題無かったようです。

 

 ただ、ここ100年は、魔道具の進化や量産で、小結界への魔力量の供給が大幅に減りました。

 

 今でも、王都周辺の小さな領地が小結界を手放したとしても、少しは持つでしょう。

 でも、ここアルドンは違いますわ。王国内で建国時からの土地を唯一維持し、侯爵やカトリーナ様も魔力量が豊富です。

 

 アルドンが小結界を手放せば、アルドンからの余剰魔力で何とか保っていた外円周や周辺地域から順に結界が消失し、3日と待たず大結界全体が崩壊、との予測が立っております」


「…………なるほど。それは。

 カトリーナ様は当家との密約、と仰ってましたでしょう?大結果の事以外にも、まだ何かがございますのね?」


 ──ここから先は、カトリーナ様にも関係してきます。

 わたくしはカトリーナ様に視線を向けました。


「どうぞ。わたくしは、その件は隠していません」


「畏まりました。

 実は、現王とカトリーナ様は、婚約者同士でしたの」


「え!?そうなのですか!?」


「しかし、現王は今の王妃様を迎えております。その世代の学生時代の事は詳しくは存じません。

 ただ、婚約破棄にお二人が合意する際、契約が結ばれました。

 

 1つ、カトリーナ様、その結婚相手、そしていずれ産まれてくるお子様が傷つく事があれば、その結婚相手は土地の小結界を手放す事。

 

 2つ、カトリーナ様とその結婚相手は王家と絶縁する事。

 

 3つ、1、2を他領地にも王家は伝播させ、違えた場合は王家の責任として、同じく小結界を手放す。


 これが、王家とアルドン領の密約です」


「な、なんですの!?もう侯爵だと決まっている前提の結婚相手は!!!」


 ナッティが叫ぶのも仕方ありません。

 わたくしも、教えて貰った時におかしいと思いました。ただ、この領地にきて侯爵に会えば分かりました。絶対に暗躍したのは間違いないと。


 色々思う事はありますが、今回重要なのは、侯爵が密約を果たすつもりだということです。


 その前にクラリスを見つける。

 これしか無いのです。


「フィンに聞かせたくない理由も分かりました。あの子の夢は魔導騎士ですわ。こんな情報と密約を知っては将来に響きます。下手を打てば敵同士になるでしょう」


「そうね、そうだわ。大結界を守りたい者と戦いになれば、フィンは大結界を守る側に立つかもしれません。カトリーナ様、ありがとうございます。ご配慮、感謝します」


「いいえ〜。どういたしまして。

 ああ、ちょうどいいわね。フィンちゃん達が戻ってきたようだわ。

 わたくし達は、本日会食に外に出ることになっています。通常通り過ごさなければ、クラリスが誘拐されたと知られますから。

 令嬢が誘拐されるなど、一生傷もの扱いになってしまいます。

 クラリスの誘拐は無かった事にするしかない、これは分かりますね?」


「「はい」」


「宜しい。

 アルドンの者が通常通り過ごさなければならないという事は、目立った手勢を差し向ける事も出来ません。

 3時間後、ジェサイアは小結界を消滅させるだけでなく、クラリスの誘拐に少しでも関わった者や領地は、全て焼き尽くすでしょう。

 

 国の民や大結界を守りたい者……アルドン領の者ではない貴女たちで解決しなければならないという事です。

 出来る限りの手配と情報は届けさせます。頑張りなさい。

 …………クラリスをお願いね」


「「畏まりました!必ず!」」



 そうして、ナッティに学生時代の名鑑やここ何年かの周辺領地との取り引きなど、大変な量の資料をナッティに渡し、カトリーナ様は去って行かれました。


 ──カトリーナ様の手は震えていました。本当は、心配で堪らないのでしょう。



 必ず、クラリスを探し出しますわ!



 



 

次もアンネリゼの視点です。


若い子たちで解決させるようとするのを

違和感覚える方もいるかと思います。


その辺りの事情は番外編で入れようと

考えておりますので

アンネリゼが感じた通りに

読んで頂けると嬉しいです。


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