第四十九話 夢中
『ゆずる!マサが意識不明で救急車で運ばれた!』
三滝からの電話で、ゆずるの顔色が変わった…
「えっ?…、どうゆうことですか?事故ですか?」
『違う!たぶん海竜組にやられたんだ…俺は今、病院に向かってる…』
「社長!さつきは?…さつきは一緒じゃないんですか?」
『さつきは…わからない…すまね〜、冨樫に連絡してみてくれ!!俺もあいつから連絡もらったんだ、状況を一番理解しているはずだ。』
ゆずるは電話を切ってすぐに冨樫に電話をかける。
ゆずるの隣りにいた緑が
『ゆずるくん!どうかしたの?!』
「さつきが誘拐されたかも知れない…」
『えー!!』
その時、冨樫に、電話がつながった。
『ゆずるくんかい?高橋正彦さんの件だよね?
渋沢高校近くの路地で、倒れているのを通りかかった高校生が見つけて、警察に電話してくれたんだ…』
「あの…さつきは居ませんでしたか?今日マサさんと一緒に出掛けてたんで…」
冨樫が沈黙して…
「なんだか嫌な予感がして、海竜組とか…ですか?」
冨樫が、ゆっくり口を開いた。
『ごめん…ゆずるくん…たぶんそうだと思う、実は一ノ瀬剛が釈放になったんだ。…』
「殺人ってそんなに早く、出られるんですか?」
『実は、一ノ瀬拓馬議員の秘書が、剛を脅迫していたと、自首してきたんだ…殺人を実行したのも全て自分だと…』
「そんなの嘘に決まってるじゃないですか?」
『わかってる…でも、上層部の判断は物証が無い以上、証言を優先する…証言もかなり辻褄が合っていたんだ…』
「じゃあ…一ノ瀬がさつきを、拉致した可能性が高いですよね…」
『まだ、わからない。ゆずるくんは大人しく待ってて、警察が動いているから…』
「冨樫さん!僕は待ちません!!今の話しを聞いてハッキリわかりました。確証はありませんが、海竜組に行ってみます。」
と、電話を切った。…
隣りで、やり取りを聞いていた緑は、
『さつきは?…』
「ごめん緑ちゃん…今日は楽しかった。紀子おばさんの家に戻ってて…、僕は行かなきゃ行けなくなったから…」
『ゆずるくん!…』
ゆずるは、走った。
ゆずるのスマホに、冨樫からの着信が鳴り響いていた。
〜数時間前…デズニーランド
さつきとマサは、楽しい時間を過ごしていた。
スペースマウンテンやホーンテッドマンション…
沢山の人気アトラクションを楽しんでいた。
『さつきさん…今まで生きて来た中で、今日が最高の一日です。』
さつきはマサに、
『マサはこれからもっと、最高を更新できる。』
マサは嬉しそうに
『俺も、そう思ってます。』
さつきは微笑んで。
『ここのキャラクターはみんな可愛らしいな…』
さつきが回りをキョロキョロと見渡した。
マサが、
『俺は、どのキャラクターより…
さつきさんが一番かわいいと思ってます。』
さつきが、
『マサ…女性は外見を褒められると一日中機嫌が良く…、内面を褒められると信頼が生まれる…』
マサがハッとして、
『すみません!さつきさんの性格も大好きです。』
さつきが、笑って…
『私はマサに、幸せになってもらいたいと思ってる、ゆずるほど馬鹿じゃないけど…もっとよく回りを見ないとな…』
『回りっすか?…でも、さつきさんが一番です。』
マサは嬉しそうに言った。
さつきがマサに
『楽しい時や、苦しい時ほど冷静に回りを観察した方が良いんだよ…マサ。』
マサが
『あっ!なんか食べますか?…腹減りました?』
さつきは笑って…
『そうだな、ポップコーン食べようぜ。』
と、近くのポップコーンワゴンに向かった。
マサがさっきに、
『デズニーランド内に、いろんな味のポップコーンがあるんですよ!キャラメル、醤油バター、カレーやチョコレート…』
『全部、食べてみるか…』さつきが呟くと、
『そうっすね…回り見て行きましょう!いろんな味を食べられるように…』
『そうだな。』
さつきが微笑んだ。




