第四十八話 幸福
【ねー、さつきさん、ご出身はどちらですか?】
『出身…?』
不思議そうに聞いた。
マサが、【あの…、生まれた場所って言うか…】
さっきは、理解したように頷き
『あ〜、渋沢高校…』
マサが
【そうなんすか?ゆずると同じ高校なんすね。】
さつきが首を横に振って、
『高校には行ってない、生まれた場所ってマサが聞いただろ!』
【そーでしたね、すんません!】
やべえやべえ…聞き過ぎると逆鱗に触れる。
話題を変えよう…
【さつきさんは、ディズニーランド…行った事ありますか?俺、行った事なくて…】
『マサ!私も行った事ないぞ。だから楽しみだ』
【そうなんですね。良かったです、社長に相談したら、デートならディズニーランドだろうって言うんで…流石、社長って感じです。】
『マサは何で今まで、来た事なかったんだ?』
マサは真面目な顔で…
【俺は、小さい頃から施設で育ったんで…
こうゆう…華やかな所は、来るチャンスがなかったんです。中学も中退してしまって…】
『そうか…施設って、どんな所なんだ?』
【そうっすね…、なんもないんですけど、俺には施設しか無くて…優しい場所って感じです。】
『そうなんだな…マサが優しい理由が分かった気がするよ。』と、さっきが微笑んだ。
マサはその笑顔が好きだった。
なんでも、ズケズケ言うさっきだけど、マサは嘘の無いストレートなさっきが好きで好きで仕方なかった。
『マサ!入口だ、入るぞ。』
【はい!行きましょう!!】
二人は入場ゲートをくぐり、園内に消えて行った。
〜 紀子の家
【紀子さん、おはようございます。】
『あら、緑ちゃん早いわね…まだ寝てていいのよ、若いんだから。』
【実は、楽しみ過ぎて早くから目が覚めてしまって…】
『今日は東京スカイツリーに行くんでしょ』
【はい!楽しみ過ぎて…】
『緑ちゃん、今日は私は遠慮しておくわ…
ゆずくんと二人で行ってきて。』
【えっ!?…どうしてですか?】
『実はね…昨日のお酒が残ってて…二日酔いってのもあるんだけどね…、昨日もらったプレゼントでお腹いっぱい…、これ以上幸せを食べられないわ…。』
【紀子さん…】
緑は紀子に抱きついて、
【紀子さん、お土産買ってきますね。】
『ゆずくんは、午前中は仕事だろ?
少し買い物に付き合ってくれるかい?緑ちゃん』
【もちろんです!】




