第四十六話 伝心
事件から数日が経過
弓弦やさっきも少し事件の事を忘れかけた頃…
すっかり元の生活を取り戻していた。
「さつき…クリスマスってわかるか?」
『おう〜、分かるぞ…弓弦やマサがプレゼントくれるんだ。』
「まあ…間違いではなさそうだけど…さつきだってお返し考えないとね、あと…一緒に紀子さんへのプレゼント考えないか?」
『紀子おばさまね…弓弦も少し大人になったな。』
街はクリスマスムード、日々の生活が少し華やかになる…
今までの人生で、クリスマスが楽しみなんて…あったかな〜…、そうだ…お父さん、お母さんが生きてた時…楽しみだった。
沢山のプレゼントやクリスマスケーキ、映画見たり…ホント…優しかったな…、どうしてだろう…すっかり忘れてた。
『ゆずる…なんで泣いてるんだ?…どこか痛いのか?』
ゆずるは慌てて目を擦った。
「あ、あくびをしただけだろ…」
あの事故が、僕の人生を狂わせた…
でも…今は、さつきがいつも側にいてくれる。
僕は寂しかったのかな…ずっと…
おばあちゃんがいたのに、あまり素直になれなかったな…おばあちゃんだって、お父さんやお母さんが亡くなって、相当ショックだったろうに…僕みたいなわがままなヤツが残って…
大変だっただろうな…
『ゆずる…そうゆう気持ちに、もっと早く気付くべきだったな。』
「うん…そうたね…」ゆずるが、ハッとする。
「な…何だよ…さつき…」
さっきは微笑んで、
『だから…おばあちゃんが死ぬ前にそーゆーことは言ってやれよ…』
「違う…それじゃない!なんで、僕が考えてる事が分かったんだよ?…」
『そりぁ…私の魂、使ってんだから…分かるに決まってんだろ…』
「え〜!!」
弓弦は顔を真っ赤にした。
「僕の考えてる事が分かるって事?…」
『私を見て、可愛いな〜て思った事も、ぜーんぶわかってる。』
「マジかよ…最悪だ…」
『ただ…この能力は近くに居ないと、分からない』
「これも…死神の能力ってこと?」
『能力とまではいかないけど…そう理解してもらっていい。』
「僕はさつきの心を読めたりしないの?」
『それは難しいだろうな…弓弦が持つ死神の能力は、人間で言う自律神経で使える能力だけ。
死なない能力も、死神の目も、死神がやろうと思ってやってない能力だから…』
「意識はやろうと思えば出来る能力って事?」
『半分正解で、半分間違い…この能力は私もゆずると魂を交換してから気付いた事…ゆずるが私の心を読めないのは、早いタイミングで理解した。』
「さつきはなんで人間になったの?」
『前にも話しただろ…この子の死に、神なる者の気配を感じた…そのままには出来ない。』




