第四十五話 金髪
一ノ瀬拓馬の元に、秘書が駆け込んだ。
『大変です!!一ノ瀬先生…剛さんが逮捕されました。』
『何だ…騒がしい、何の容疑だ…?いちいち報告に来るな!…いつもの様に頼む。』
秘書が…言い辛そうに…
『先生…それが…今回は厄介でして…、殺人容疑で捕まってしまったので…』
秘書が途中まで言いかかった時…
一ノ瀬拓馬は、
『身代わりを立てればいいだろ…、いないならお前が身代わりになれ!…』
秘書は俯いて、黙っていた。
一ノ瀬拓馬は、続けた。
『だいたい、政治家の息子が殺人なんて、ニュースにでたら、お前達の人生だって終わるんだぞ…今日中に何とかしろ。』
そう言って、車に乗った。
『警視庁に向かってくれ。』
〜翌日の昼、遠藤農園の座敷
瑞穂が死んだ日に集まった、冨樫、三滝、愛美、まどか、弓弦、さっきが集められた。
冨樫が
『皆さん…ありがとうございました。無事に海竜組と一ノ瀬剛を殺人と器物損壊で検挙できました。』
そう言って、頭を下げた。
三滝が、
『俺は…何にもやってねーけどな。』
『いえ…そんな事はありません、みなさんの協力には感謝しかありません。』
『これで、事件は解決したって事か?…』
『だと良いんですが…、多分ここからが…』
愛美が、
『まだ、何かあるんですか?』
冨樫が少し考え…
『いえ…ありません、ただ…円さんには髪の毛まで、切らしてしまってすみませんでした。
さつきさんにも、わざわざ金髪にしていただき…本当に申し訳ありませんでした。』
そして、深々と頭を下げた。
まどかが、
『髪の毛は、いいんです。直ぐに金髪に戻したんで…それに短い髪は楽で良いです。』
さっきは
『私も金髪が気に入った。円とお揃いだから嬉しいし、カッコいいだろ〜』
冨樫が、もう一度、二人に頭を下げた。
『ありがとうございました。』
弓弦が少し不安そうに…
「あの…、ホントに僕達が仕組んだ事だとは、バレていないですかね…?」
『さつきさんとまどかさんが顔を見られていると思いますが、まどかさんは、既に髪の色も違いますし、男だと思われている可能性が高いです。…不安要素があるとすれば、さつきさんがまだ、金髪だということ…おそらくあの日さつきさんを見た一ノ瀬剛やチンピラは見たら気がつくでしょうね…』
さつきはニコニコして
『でもあいつら全員逮捕されたんだろ?』
冨樫がさつきを見て
『はい!全員逮捕されました。
殺人容疑なんで…すぐには出てこないでしょうね…。』
『じゃあ大丈夫だ〜、私この髪色気に入ってるから、しばらくはこのまま…』
「さつき!髪の毛の色は戻してよ。何があるかわからないから…危ないよ…」
あかんべーするさつき…
その頃、警視庁では、
一ノ瀬剛が、釈放されていた。




