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死神リベンジ  作者: Spumante Rock


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第四十四話 脅迫

一ノ瀬剛が、ゆっくりと目を覚ました。

真っ暗な部屋だった。

明かりはひとつもなく、何も見えない。剛は椅子に縛り付けられていた。

『オイ!! 誰だ! 誰かいないか? こんなことをして、ただで済むと思うなよ!!』

返事はない。

『クソ……誰もいないのか……』

そう思った瞬間、突然、照明が点いた。

目の前に、一人の男が立っていた。

【やっと目が覚めたのか……?】

男は、どこかカタコトの日本語で話しかけてきた。

『誰だ!? お前は……』

中国人か?…

【俺たちに興味があるのか? お前の質問に答えてやる義理はない……。国優党の一ノ瀬拓馬、その息子だな?】

『何? ……だったら何だ? 金か?』

【最近の政治家は、人を殺すのか……?】

『何だと? 殺すわけないだろ!』

【加納瑞穂が死んだ理由を言ってみろ……】

『加納……瑞穂……? 何の関係があるんだ……』

【ウチの薬の顧客だった。まだ、これから買ってくれるはずの顧客を、勝手に始末しやがって……】

『加納瑞穂が、薬を……? どこのルートで買ったって言うんだよ……。アイツは俺が……』

【俺が……何だ?】

男は剛の言葉を遮った。

【全て調査済みだ。知りたいのは、殺した理由だ。ウチのボスが、加納瑞穂から回収する予定だった金を払ってもらおうか?】

『俺が殺したんじゃない! 知らないよ……』

【知らないなら、お前に用はない。コンクリートで固めて、東京湾に沈んでもらおうか……】

部屋の照明が消えた。

『オイ! オイ!! わかったから……わかった、話すから電気をつけてくれ!!』

返事はない。

『すみません!! すみません! 何でも話しますから……助けてください!』

暗闇の中、時間だけが過ぎていった。

三十分ほど経った頃には、剛の声は枯れ、部屋は静まり返っていた。

突然、照明が点いた。

『た……助けてくれ! 何でも話す……! 助けてください!』

男は、剛を見下ろした。

【お前は、自分の立場がわかっていないようだな……。大丈夫か? 二度と同じことは言わない。なぜ、加納瑞穂を殺した?】

剛は、しばらく黙っていたが、やがて観念したように口を開いた。

『邪魔になったから……。警察に話されないように、口封じだった……』

【密売ルートのことを加納瑞穂に教えたのは、お前か?】

『いや……知らない! 俺は自分で薬を買ったことなんてないんだ! 瑞穂が自分で買っていたなんて、知らなかった……』

【海竜組に、いいように使われていたのか? お前は……馬鹿なヤツだな】

男は、さらに問い詰めた。

【調べはついている。ガソリンスタンド襲撃事件や農園放火も、全てお前の指示か?】

『知らない……知らない! ガソリンスタンドは俺じゃない! あいつらが勝手にやったんじゃないか? 俺は、遠藤農園を潰せと指示しただけだ!!』

【海竜組の薬の密売ルートを教えろ……】

『知らない……知らない……。俺は、あいつらから薬を買っていただけだ……』

【さっき、海竜組の奴らから聞いたが、全てお前の指示だったそうじゃないか……?】

『知らないよ……俺は……』

男は、冷たい目で剛を見つめた。

【正直に話すか……死ぬかだ。俺たちは、お前が死んだ方が楽になる。生かしておくメリットがないからな……。お前には、何かメリットがあるか?】

『役に立ってみせます! 何でもします!』

【わかった……。俺たちは、海竜組の資金源を止めたいんだ。わかるな……。あとは、お前はもう関わらず、おとなしくしていろ……。何もするな!】

『わかりました!!』

その言葉を最後に、照明が消えた。

夜中の1時を回っていた。


〜


冨樫は、十分な証言を手に入れていた。

剛の口から引き出した言葉を確認すると、すぐに電話をかけた。

『証拠が揃いました。勝浦灯台にて、海竜組の確保に向かってください』

電話を切った冨樫は、静かに息を吐いた。

一ノ瀬剛から得た証言をもとに、いよいよ海竜組を追い詰める。

事件は、新たな局面を迎えようとしていた。

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