第三十六話 瑞穂
弓弦のスマホが鳴った。
桜庭緑からLINEが届いた。
【弓弦くん、昨日はありがとう。とても楽しい週末を過ごせました。また遊びに来るね…
それから、常世神社に紀子さんと行ってお札のこと聞いてきました。
あのお札は、〝魔札〟と言って、魔除けに使うものだとわかりました。
常世命と言う神が祀られており、人の命を司る神のようです。
怨霊として恐れられていた時代もあったそうで、この〝魔札〟があったそうです、
ただ、もう10年近く、印刷物の販売しか行っておらず…昔から買い続ける顧客に頼まれて手書きする事もあるそうです。
私は今、新幹線で移動中…
また、何か情報が有れば連絡します。】
弓弦は緑に返事を打ち込んでいると、また緑からLINEが来た。
【新しい情報が無くても、連絡します。】
弓弦は、緑に返事をして、
改めて〝魔札〟の画像を眺めた。
今回、緑ちゃんが買って送ってくれた魔札の写真と、以前雫が緑に送りつけた魔札は同じようで少し違う…今回緑ちゃんが買ったのは印刷物なんだろうな…字が整い過ぎて見える。
それに、以前…さつきから常世命について調べるように言われたのを思い出した。
これで、さつきに聞いたら怒られるだろうな…
もう少し情報を集めてから、さつきに聞いてみよう…
それから弓弦は、インターネットで常世神社の魔札について調べるようになった。
〜加納 瑞穂の自宅前に
遠藤 円が立っていた。
自宅のチャイムを鳴らしても、誰も出て来ない。
その時、円の背後に数名の男が現れる、
『すみませ〜ん…瑞穂さんのお友達ですか?僕達も瑞穂さんに連絡取りたいんですけど…連絡が付かなくて困ってるんですよ…』
円は、
『いないんですか?…』
まどかはそのまま振り向いて、帰ろうとした。
その時、瑞穂の家の玄関が開いた。
上下スウェット姿の瑞穂が立っている…
『助けて!!まどか…』泣き崩れてしゃがみ込む…
『何だよ…いるじゃねーか』
男達が、瑞穂の方に向かって行く。
『瑞穂…良かった…』まどかも駆け寄る。
男達が瑞穂を引っ張り上げて、連れて行こうとした時。
『私が先に来てたんで、順番抜かないでくれる?』
『何言ってんだ…このねーちゃん、頭おかしいんじゃねーか?…、良かったらお姉ぇ〜さんも一緒に来なよ…可愛がってやるからさ〜』
『瑞穂…大丈夫だった、ごめんね〜中々来られなくて…とりあえず会えて良かった。』
『オイオイ、ねーちゃん…何、無視ぶっこいてんだ…』
男達が円の肩をつかもうと手を伸ばした瞬間、
円が、その手をひねった。
『アタタ…タ、』男は、 膝を付いた…
『何だテメ〜』もう1人の男が、
『オイオイ…何やってんだよ…離しやがれ!』
後ろに立っていた3人のチンピラが手にナイフを持った。
『武器なんか使えば、怪我するわよ。』
円は男達を威嚇した。
『女のくせに、調子に乗るな!』
と、ナイフを振り下ろした。
まどかは、ナイフをかわし、男のアゴを蹴り上げた。
そのまま、腕を押さえていた男を後ろに転がした。
『何だよこの女!めちゃくちゃ強えぇ…』
その時、まどかの回し蹴りが、
男のみぞおちにめり込んだ。
『げふっ…』
そのまま、
ナイフを持った男を、2人続けてこめかみに二段蹴り…30秒もかからずに5人の男達をねじ伏せた。
『行くよ瑞穂…』
『えっ?…私、何も持ってないよ…』
まどかは瑞穂の手を引いて、駅に向かった。
『一旦、ウチに行こ…ココに居たら駄目!』
〜移動する車の後部座席
電話を取る、一ノ瀬 剛
【何?…逃げられた…?…まあいい…どうせ時間の問題だ…、あぁ…、…何…まどか…、あぁ…わかった。】
一ノ瀬が悪い笑みを浮かべた。




