第二十九話 心配
三滝の運転する車の後ろに、まどかとゆずるを乗せて、遠藤農園に向かっていた。
『おじいちゃん…ごめんなさい。心配かけて…』
『まぁ…生きててくれたら、それでいい…』
弓弦は、三滝とまどかの話しを黙って聞いていた…、
『ゆずる…お前、なんでまどかのバイト先に行ったんだ…まどかに惚れてるのか?』
「そんな…マサさんに連れて行かれただけで…」
『マサは、どーしたんだ?あいつ、逃げたんじゃねーだろうな…』
「いや、マサさんは銃で撃たれて、先に救急車で運ばれて…」
『馬鹿野郎!なんで先にそれを言わねーんだ!!』
「すみません!」
『おじいちゃんごめんなさい…マサも私を助けようと…、でも、どこの病院に運ばれたか…』
『ゆずるマサに電話してくれ!あいつは身内がいねーから…俺が保護者になってやんねーと。』
「社長…マサさん、電話に出ないです。」
まどかが、
『そりぁ…もう24時過ぎてるし…蒲田のお店なら、誰か連絡受けてるかも…』
『まどか!その前にコイツに電話してみてくんねーか。』と、名刺を一枚渡した。
まどかは名刺を受け取って…
名刺に書いてある、携帯番号を入力した。
『冨樫 界って…刑事さん?』
『あぁ、さっきの刑事だ…』
『流石に刑事は、個人情報とかなんとか言って教えてくれないでしょ…』
電話を掛けて3コール目で、
冨樫は電話に出た。
【ハイ!冨樫です。…
『あの…私、先程お世話になった遠藤円です
【あぁ…遠藤さん…キャバレー襲撃の?…
『あ、ハイ…すみません突然…
【大丈夫ですよ、どうかされましたか?
『ちょっと教えていただきたくて…
【何をですか?
『銃で撃たれて、運ばれた男性いましたよね?…
【あ〜、高橋正彦さんですね?
『ハイ、救急車で搬送された病院を知りたくて…
【お知り合いでしたか…
『ハイ、
【高橋さんは、東邦大学病院です。
『ありがとうございます!』
【どういたしまして…】
『おじいちゃん!東邦大学病院』
『わかった!待ってろよ…マサ、今から行くからな…』
〜東邦大学病院 AM1:25-
『すみません、0時前頃に蒲田から救急車で運ばれた、高橋正彦さんはどちらにいますか?』
救急外来受付で確認してもらった所…
すでに、緊急手術を終え…病室で休んでいると教えてもらった。
病室への面会は、9時から17時だと言われ、仕方なく帰ることに…
「すみません社長…」
『なんで…ゆずるが謝ることがある…』
『おじいちゃん…私、ゆずる君のウチに泊めてもらおうかな…』
「何言ってるんですか…まどかさん…」
『今から帰っても…この格好じゃ…、』
『まあ…愛美がうるさい事を言いそうだな…。』
「社長の家じゃ…、ダメなんですか?」
『ウチは…夢がいるからな…』
「え?…奥さんがいたら…マズいんですか?」
『おばあちゃんは〜…』
「えっ?…」
三滝が少し考えて…
『ゆずる…頼むわ。まどかを泊めてやってくれ』
「そんなの、…」
『ありがとう、おじいちゃん!話しがわかる〜』
「えっ…、それは〜いいのか…」
翌朝、3時
愛美が弓弦を迎えに来た。
弓弦はもう…一睡もせずに着替えただけだった。
愛美は車を降りると、弓弦に向かって
『なんで、昨日連絡して来ないのよ…まどかは?』
『まどかいる?…』と、家に入ろうとしたので、
「愛美さん…、今日は…寝たばかりですし…まどかさんは、悪いことはしていませんから…」
「仕事が終わったらにしましょうよ…」
弓弦が恐る恐る、愛美に言うと
愛美は、思い切りゆずるを抱きしめた。
「わー…、何するんですか、愛美さん」
『まどかの代わりに抱きしめさせて!お願い!!』
「愛美さん…」
『さあ、行きましょ!!』
と、愛美が車に乗り込んだ。
「じゃあ、行きましょう!!」
この日、ゆずるは仕事を終えて、いつものように昼食を食べていると、
ウトウトと、寝てしまい…
つられて愛美も寝てしまった為、弓弦が帰ったのは、19時近かった…
いつものように、紀子おばさんの家に晩御飯に行くと…
さつきが、昨日まどかが着ていた真っ赤なドレスを着て料理していた。
弓弦は崩れるように倒れこんだ…
『ゆずる!お帰り。見ろよコレ…カッコイイだろ〜。まどかにもらったんだ。』




