第十九話 信仰
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【あなたが…桜庭 緑さん…、ごめんなさいね、突然呼び出してしまって…】
緑は、首を横に振って
『あの…雫ちゃんは?今どこにいるんですか?…』
「雫さんは、今は行方不明になってしまって…こちらに帰ってきて居ないかと思って訪ねて来てしまったの…、突然居なくなってしまったから…」
『雫ちゃんは…元気でしたか?、』
「とても明るくて、人懐っこい子だった…日曜日なんて、ウチの社長にお酒飲ませすぎてご機嫌だったんです…。」ゆずるが笑いながら話すと…
『嘘…、雫ちゃんはお酒を飲む人が大嫌いで、人に勧めるなんて…考えられないです、』
「え?…そうなんですか?…」
【あの…この写真。…】
紀子は今まで、さつきと撮った写真を、緑に見せた。
緑の後ろから、笹中も覗き込む…
『雫ちゃんに見えますね…でも、どこか違う…』
「僕がはじめてあった時に着ていた制服を、調べてこの学校に辿り着いた…だから、間違いなく雫さんなんだと思います。…ただ、…」
『雫ちゃんって、感じじゃない…、先生、どう思いますか?』
と、…緑は笹中の顔を覗き込んだ…
『私も…この写真の表情は、違和感がある…間違いなく、有村さんなんだけど…表情がね…』
ゆずるは思った…
当然だ…さつきは死神なんだ…別人に決まっている…外見は本人なんだから…2人の反応は正しいに決まっている。
「昔の写真…あれば、僕達にも見せてもらえますか?」
『あ…ハイ、、私のスマホに雫ちゃんの写真あります。』
と、スマホを見ながら、指で弾いている…
しばらくして、数枚の写真を見せてくれた。
「すみません…」ゆずるは緑のスマホを受け取ると、写真を数枚…確認した。
紀子とゆずるは、写真を数枚見ただけで、
…全くの別人だと感じた…
「嘘だろ…、これは、同じ人なのに…表情に違和感がある…。」
ゆずるはその理由が、はっきりとわかっていた…
中身(意識)が別人だから…、
【私達は、さつきちゃんって呼んでるから…なんだか、さつきちゃんとしずくちゃんは別人みたいね…】
「雫さんが、いなくなる前、何か気になる事とか…ありませんでしたか?」
緑は、ゆずるの顔を見て、
『私達…小さな頃からずっと、一緒にいたんです。…それが、今年になって…』
【何かあったの?…】
『少し…喧嘩してしまったんです。…』
「原因って…聞いてもいいですか?」
緑は少し、言い辛そうに…していた、
紀子はそれを見て、優しく言った。
【緑ちゃん…ありがとうね、もう大丈夫よ…また、会ったら仲直りしてあげてね。】
緑は頷いて…
『違うんです…雫ちゃんが…変わってしまったんです…。』
ゆずるが気になって…
「どんな風に?…」
『実は…生命を奪う事執着しだして…虫を殺したり、鳥なんかも…殺そうとしてるの見て…、私…我慢できなくなって、雫ちゃんと距離を置いてしまったんです。』
「そんな…、感じの子だったんですか?…」
『全然違います…、ある時…急に…変わってしまって…原因はなんとなくわかります。…』
「原因…あるんですか?…」
緑は頷き…
『八百万の神様…』
「え?…」
『神様への捧げモノとか…言ってました。』
ゆずると紀子は、静まり返った沈黙を、どう処理するか…完全にうごけなくなっていた。
「それは…信仰的な話し?」
『昔は…そんなこと、言わなかったし、優しい子だったから、信じられなくて…』
「変わってしまった、時期はわかりますか?」
『たぶん…ですけど、今年の1月頃だったと思うんですが、一緒に暮らしていたおばあちゃんが亡くなって…ひどく落ち込んでいたのを覚えています。…それから、様子が変わったような…、』
「そうなんですか…」
ゆずるは、雫の祖母の死を自分のおばあちゃんの死と重ねていた…
【緑ちゃん…雫ちゃんが変わってしまってから…連絡した事はあるの?】
『あります…けど。変なお札の写真が、送られて来て…怖くて…それ以来、連絡できていません。』
「その写真、見せてもらっても良いですか?」
『これなんです…』
と、スマホを差し出した。
紀子とゆずるが、スマホを覗き込むと、
古びた狛犬の絵の横に常世命
と、書かれたお札の写真…
顔をしかめる紀子…
【なんか…気味が悪いわね…】
「桜庭さん…その写真、もらっても良いですか?」
『あ…ハイ、LINEでいいですか?』
しばらく、桜庭 緑 と、いろいろ話してみて、有村 雫 と言う少女が少し見えてきたように感じた…
笹中が、
『あの…、有村さんの御自宅には、行ってみますか?…、ココから車で30分ほど掛かります、私の車で宜しければ、ご案内しますよ。』
「笹中先生…ありがとうございます。行きたいです!」
紀子が、立ち上がって頭を下げた。
桜庭 緑が、
『笹中先生!私も一緒に行ってもいいですか?』
また次回もよろしくお願いいたします。




