第十六話 過去
いつも読んでいただきありがとうございます
翌朝、いつものように早朝の仕事
さつきも、行きたいと言うので今日もさつきと二人で、待っていた。
『おはよう!2人共、今日もよろしくね!』
「ハイ、よろしくお願いします!」
二人は車に乗り込んだ。
『さつきちゃんはお仕事してみてど〜お?…続けてみたい?』
『ハイ!働きたいです。』
愛美はニッコリ笑って…
『よし、じゃあウチで正式に働いてもらおうかな?…大丈夫?』
『ハイ!もちろんです。…』
『でね…、労働には休みも必要なのよ、もうゆずるくんは、こちらに来て1週間になるから…そろそろ休みを取ってもらいます。』
「お休みですか?…」
『でね…さつきちゃんとはずらして休みを取る事になるけど…大丈夫?かしら…』
『全く問題ないぞ.休みはズレても、結局は同じ家に住んでるから、どうせ会うしな…』
「僕も問題ないですよ、…」
『OK!じゃあ、ゆずるくんは明日と明後日お休みね。毎週火曜日と水曜日がゆずるくんのお休み。』
『さつきちゃんは金曜日と土曜日お休みしてくれる?』
「ありがとうございます。」
『じゃあ…火曜日と水曜日は、工場で働けそうですね…』
『ゆずるくん…休みはちゃんと休んでくれる?お金を稼ぐことも大切だと思うけど、身体が資本って言う言葉知ってるでしょ…』
「ハイ…、わかりました…いろいろやりたい事もあるので、有意義に使うようにします。」
『あなたに倒れられたら、困るから…注意してね!!』
「ありがとうございます…」
さっきはその話しを、笑って聞いていた…
〜仕事終わりに…
農作業を終えて、昼食を食べたあといつものように、帰り支度をしていると、
愛美が、ゆずるに近づいて…
さっきに気付かれないように手紙を差し出した。
『ゆずるくん…これ、まどかから預かったんだけど…』
「えっ?…まどかさんから…」
ゆずるは、さっきの制服の件だと直ぐに気付いた…「あ〜、ありがとうございます…」
と…手紙を受け取った。
愛美はゆずるを見て、
『読まないの?…』
「あっ…、家に帰ってから読みます。」
愛美はさっきの方を見て、
『あー、気になるよね…』
と…目を細めた。
「いや…ちょっと、まどかさんにおねがいしてて、たぶん、その件かと…」
『そうですか…別に、いいんだけど、まどかが…さつきちゃんに内緒でって言うから…気になっちゃって…』
「はい…ちょっと…」
『そんな厳重に糊付けなんかしちゃって…気になるじゃない…』
「はは…、でも…やっぱり家に帰ってから読みます…、まどかさんに悪いんで…」
『あら、そ〜お…、残念…また、今度教えてね。』
「まあ…内容次第かと…」
しつこく聞いてくる愛美から、やっと解放されたのは、さっきが声をかけてくれたからだった。
『ゆずる…何話してんだ?私も混ぜてくれよ!』
すると、愛美は
『ゆずるくんに、明日の休みは何するか聞いてたのよ…、ね!っ!…ゆずるくん…』
「えっ?…そうなんだ…何しようかな…って…」
『そうか〜、ゆずるは自殺するくらいしか脳が無いからな…』
『さつきちゃん…変なこと言わないでよ、…心配になってしまうから…』
「絶対に死なないんで、安心して下さい。」
『なら良かった…じゃあ!帰りましょ。』
そう言って…3人は車に乗り込んだ、
まどかから受け取った手紙が気になって仕方がないけれど、さっきが居る場所では開けられない…いつもと変わらない帰り道が少し遠く感じるなんて、はじめてだった。
〜〜、、、手紙の内容…
ゆずるくん!
メール文をプリントしたので同封します。
遠藤様
ご連絡ありがとうございます。
お問い合わせいただきました、制服に着きまして回答させて頂きたく思います。
昨今の個人情報などもあり、弊社はあくまでも問い合わせいただきました、商品に着いての回答とさせていただきます。
家出された少女を保護されたとの事…身元がわからないでお困りの事と存じますが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
写真の制服ですが…
静岡県富士市富士北高等学校のモノかと思います。
プリントされた、A4用紙を眺めて、
ゆずるは大きなため息を吐いた…
「静岡か…、ちょっと…遠いな、」
と、ベッドに転がった。
〜…ゆずるはそのまま、ベッドで寝てしまった…
『ゆずる!!おい、何寝てるんだよ!ずっと紀子おばさまと待ってたんだぞ…』
「あ…っ、ごめん、つい寝てしまって…」
『大丈夫か?腹減ってるんなら、タッパーにご飯もらって来たから…食べな。』
「さつき…ありがとう…」
『じゃあな、私は明日も早いから…もう寝るわ』
目を擦りながら、身体を起こしベッドに座った。
「静岡じゃ中々行けそうにないな…」
そう言って、スマホで富士北高等学校を検索してみた…、確かに見たことのある制服を着た女子生徒が映っている…
「間違い無さそうだな…手掛かりになりそうな情報は無いかな?…」
しばらく検索してみたが、
何も関係ありそうな情報は出てこなかった…
その時…ゆずるのスマホが、鳴った!!
電話だった。
発信者は紀子おばさんだった。
ゆずるは電話に出た。
【ゆずくん、大丈夫?…ご飯食べたの?】
「紀子おばさん…、すみません、帰ってきたら寝てしまって…」
【さつきちゃんに、ご飯持って帰ってもらったけど…食べたかい?】
「いや…まだ…、」
【今から持っておいで…温めてあげるから。】
「そんな…大丈夫ですよ、そのままで…ありがとうございます、、いただきます。…」
【いいから持って来なさい、温かいもの食べないと、元気でないよ。】
「はい…、すみません…」
〜…22時を過ぎた頃…紀子おばさんの家
【ゆずくん、どうぞ…】
紀子は温めた料理を食卓に並べた…
「ありがとうございます、おばさん…」
箸を持って、いただきます。と、手を合わせた。
【大丈夫?何かあった?…】
紀子の問いかけに、ゆずるは答えられなかった。
【やっぱり…何かあるのね…、何?おばさんに、言ってごらんよ…何か助けてあげられるかもよ…】
ゆずるは首を横に振り、
「紀子おばさんには、もう…ずっと助けてもらってます。」
【さつきちゃんのことかしら…?】
紀子はゆずるの顔を眺めた。
「え?…」
【何?…好きになっちゃった?】
ゆずるは首を横に振った
「違うんです…実は、…、実はさつきの着ていた制服から、通っていた学校がわかったんです。」
紀子は少し真面目な顔になって
ゆずるの正面の席に座った。
『あら…ひょっとして…さつきちゃんに内緒?』
ゆずるは頷いた…
「本人は絶対に過去を話さないけど…ホントに誰も心配する人間がいないのか…」
『そうね…誰も心配しないなんて…考えられないわよね…』
「僕も、誰もいないって思っていたので…言えた口ではないんですが…」
『で…どこの学校なんだい?、』
「それが…、静岡の富士市の学校らしいんです。」
『富士市?…私が一緒に行ってやろうか?』
また次回もよろしくお願いいたします。




