第十五話 強者
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ゆずるは、まどかに聞かれた意味が一瞬わからなかった。
…さつきは死神…
人間ではない、それでも…最近の生活は楽しい…
「好き…ですよ、…ただ恋愛感情ではなくて…兄妹みたいな感情だと思っています。」
『もし、さつきちゃんが現れていなかったら…死んでた?…』
「100%死んでました。…」
まどかは、大きなため息を吐いた…
『そうなんだ…じゃあ、大切にしなきゃね。』
「はい!」
『でも、あの身体のキズ…気になるわ…』
「さつきは覚えていなくて…あんな感じだから…あれ?…まどかさん駅…」
『あー…、私、駅前の銀行に自転車止めてるの…』
「そうなんですね…」
『じゃあ、また!メールの返信が返ってきたら、連絡するね。』
ゆずるが手を振って帰ろうとした時、
『なんだ、お前ら付き合ってたのか?、』
まどかの前に、坂上雄二が現れた、ゆずるの前にも数人の不良が立ちはだかった。
『何か用か?』まどかは落ち着いている。
ゆずるは、なんとかまどかを逃がしたいと考えたが、5人の男相手にそれは難しいと悟っていた。
『男5人で、か弱い女の子と、いじめられっ子を、囲んで面白い?』
『なんだ、テメぇ…俺たちが、女に手出さないとでも思ってんのか?』
「ちょっと…まどかさん、やめましょうよ…」
ゆずるがまどかと、坂上の間にはいり、
「あの…坂上先輩、すみません、もういなくなるんで勘弁して下さい。」
そう言って頭を下げた。
『おめーが…でしゃばってくるなよ!』
坂上がゆずるの顔面を殴ろうと、拳を振り下ろした。
ゆずるは歯を食い縛り、目を閉じた。
振り下ろした拳は、ゆずるの顔手前で静止した。
「えっ?…」
まどかが、坂上の拳を振り下ろした肩を、ゆずるの背後から左脚でハイキックが突き立てていた!
「嘘!!」と、ゆずるがつぶやいた時。
次の瞬間、まどかの右脚が、回し蹴りとなって坂上のこめかみ手前で、静止した…
坂上達は一瞬何が起こったか、分からない様子だったが、明らかな敗北感は理解できたようだ…
『クソ!…調子に乗るなよ!…』
坂上達は、今にも全員で飛びかかって来そうだ…
坂上達の背後から、
『大丈夫か?…助けてやろうか?』と、作業着姿の男の姿。
筋肉質な体型で、茶髪…明らかに悪そうなその男は…
『ゆず!大丈夫か?…』
「マサさん!!…」と、ゆずるが叫ぶと、
坂上達は、『クソ!』っと逃げるように、走って行った。
『お嬢!大丈夫ですか?』
『マサ…ありがとう助かったわ…』
マサは笑って
『多分、助かったのは、アイツらの方だと思いますよ。』
そう言って…ゆずるに肩を回した。
『なぁ!ゆず!あの5人が、お嬢に勝てると思うか?』
ゆずるは、嬉しそうに笑って
『マサさん…ありがとうございました。』
『じゃあね、私は帰るね』
まどかは、自転車に乗って帰って行った。
『相変わらず、お嬢はカッコイイな…、なんだ、ゆずるはお嬢がタイプなんか?…』
「そんなわけあるわけないじゃないですか?」
『そうか?お嬢は満更でもなさそうだったけど、ゆずは違うのか…、』
「えっ…、まどかさんなんて、僕には高嶺の花ですよ…もったいない…」
『さつきちゃんはいないのか?今日は…』
「いませんよ…別にセットじゃないんですから…」
『そうか〜…今度ちゃんと紹介してくれよ』
ゆずるは、マサがさつきに気があるとわかっていたが…流石に死神を紹介するなんて出来ないと思っていた…。
「マサさん…また、今度…ちゃんと紹介させていただきます。」
『絶対だぞ〜!!』
そう言って、マサは駅の改札に入って行った。
〜〜・…ゆずるが紀子おばさんの家に戻ると、
『おかえりなさい、ゆずる!!』
さっきが奥から叫んだ。
【今日は遅かったね…疲れたでしょう。】
紀子おばさんが、玄関に迎えに来てくれた。
ゆずるは、少し幸せってこんな感じかな?って考えるようになった。
…こんな人生なら、自殺なんてしなかったな…
また次回もよろしくお願いいたします。




