第十二話 泥酔
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円がゆっくり顔を上げた。
『ごめんなさい…ゆずるくん、…もう大丈夫だから』
「すみません…僕もなんて言ったらいいのか…」
『おじいちゃんに聞いたんでしょ!わかるわよ…』
「はは…ですよね?…」
『おじいちゃんによっぽど信頼されてるのね…珍しいよ、ホント…ウチのお父さんくらいなんじゃないかな?おじいちゃんとまともに話せる人…』
「円さんもですか?…」
『私や、お母さんは血縁関係だから…当たり前なんだけどね…人に頼るってのがね…珍しいなって思って…』
「社長が僕にですか?…なんか、頼りにするって言うか…頼みやすいだけなんじゃないですか?…」
『頼みやすいって、器が大きく見えてるって事でしょ…』
「そうですか?…」
『そうだよ…、そろそろみんなの所に戻ろうか?』
「あっ…ハイ、行きましょう、…円さん、一つお願いがあるんですが……、、」
〜〜、、、
二人が事務所を出ると、皆んなだいぶ酔っ払って、あちこちで盛り上がっていた。
ゆずるは、さつきを探した…
さつきは三滝社長と二人で盛り上がっていた。
「あっ!!さつき!何やってるんだよ…お前お酒飲んでんのか?…」
『飲んでね〜わ!!ゆずるが相手してくれないから、この…おじいちゃんと話ししてた。』
「おじいちゃんじゃない!三滝社長だよ、…大丈夫ですか?社長!!」
三滝社長はだいぶベロベロに酔っ払っていて、
今にも倒れそうだった。
「さつき、お前どんだけ飲ませたんだよ…」
『コレ飲んでたんだよ…おじいちゃん私はお茶のんでた…』
ウィスキーボトルを持ち上げると、ほとんど空になっていた。
「それウィスキーだろ!お茶みたいにコップで飲むもんじゃないんだよ…」
後ろで、円がクスクス笑って、
『おじいちゃんが、酔っ払うなんて…珍しい』
さつきが、
『ほら、おじいちゃんって言ってるじゃん!!』
「まどかさんはいいんだよ!」
『何?その差別…せっかく仲良くお話ししてたのに…』
ゆずるが三滝に駆け寄った。
「社長、大丈夫ですか?…」
『あぁ、大丈夫だ…そんなに酔っ払ってねーから心配するな…』
『おじいちゃん、こんな若い子と何の話ししてたのよ…』
『さつきちゃんはいい子だよ…面白いよ、死神の仕事について、詳しく教えてくれるんだよ…』
弓弦はさっきの顔を見て、
「…社長…さつきの話し本気にしてるんですか?…」
社長は、もう眠ってしまいそうだ。
『…』
『おじいちゃん…よっぽど楽しかったみたいね…
さつきちゃんありがとうね…』
さっきはしっかり、
未成年だと説明していたので、お酒を進められる事もなく、
一方的に、お酌ばかりしていたようだ。
今となっては、
三滝社長が泥酔状態にあり、
自宅への帰宅手段がない事が、弓弦とさつきの一番の問題となっていた。
愛美が、
ゆずるに、今の状況を考えると、
ウチに泊まるしかないんじゃない?と、…
提案した。
確かに、現状の最善策はそれしか無い…
そして、シラフの弓弦とさっきは、
遠藤家に1泊することになった…
弓弦が三滝社長をおんぶすると、
ウィスキーの空のボトルが1本転がり落ちた。
「さつき!!そのウィスキーボトル2本目か?」
さつきはピースサインして、頷いた。
〜その日の夜
三滝とゆずるは客間で寝る事になった…
三滝はすでに布団で、爆睡しておりゆずるはイビキとの戦いになりそうだった。
その頃…まどかの部屋では、
さつきとまどかが、並んで布団を敷いていた。
『さつきちゃんは、どこの学校なの?』
『ゆずるから聞いてないんだ…?』
『え?…ゆずるくんは、知らないって言ってたから…』
『そうだよね…ゆずるには言ってないから…』
『そうなんだ…、。…、で、どこの高校?』
『あの…わからないんです、』
『へ?…どういうこと?…』
『私…自殺したんです。…それで、記憶が曖昧で…思い出したく無くて…』
さっきは手首の傷を見せた…まだまだ傷口が新しいので、生々しく痛々しい。
『ごめんなさい…嫌な事を聞いたね…』
さっきは首を横に振って
『まどかちゃんありがとう。下着とパジャマ借りてしまって…』
『いいよ、全然…』
『私…いつもおばあちゃんの服しか着た事ないから、かわいい服着れて嬉しい!』
『おばあちゃんの服ってなーに?』
と、クスクス笑った。
『ゆずるは金持ってないから、私のパンツすら買ってくれないし、結局あるのはおばあちゃんの服ってわけ…』
まどかは微笑んで、
『いいよ…その服あげる…。』
さっきは急に立ち上がって、
『ホント〜…嬉し過ぎる!!でも、ゆずるには見せてやらないんだ。』
『どうして?かわいいから、見せてあげたらいいんじゃない』
『え!まどかちゃんは見せる派?…』
『何よ見せる派って…』
『何って…私さ、こないだ紀子おばさまにパンツを買ってもらったんだけど…嬉しすぎてゆずるに見せたの…スカートめくって…そしたら紀子おばさまが見せちゃダメって怒るのよ…』
円は少し考えた…
『えっ?…ちょっと待って…パンツって下着のパンツ?…を、ゆずるくんに見せたの?』
さっきは頷いた。
『まどかちゃんも見せる派なんだよね?』
『下着は見せません。』
また次回もよろしくお願いいたします。




