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DoomsDay  作者: 文乃絢千
47/57

47.暗闇の中で

 本田啓介(ほんだけいすけ)と杉田洋三郎(すぎたようざぶろう)は、南にある映画館に戻っていた。映画館の中は、真っ暗な闇に包まれている。


「この椅子なら眠れるな」啓介は映画館のロビーにある革張りの椅子を並べた。


「クッションがあるからベッドみたいだ」洋三郎は椅子を並べた即席のベッドに横たわった。


「洋三郎、あんまり気にするなよ」


「何がだ?」


「不倫事件のことだよ」


「気にしちゃいないさ」


「そうか? お前は怒ると見境がなくなる。もう少し冷静になれ」


「さっきの女の話か? あの女はムカついたな。でも、これで正真正銘、人殺しだ。すっきりしたよ」


「まぁ、確かにな」


「あの頃、選挙期間中だったろ? 俺はいいようにスケープゴートにされたと思っている」


「それは俺も思った。なんで選挙中に不倫事件なんか特集するのかって」


「日本人のヘイトを俺に向けたんだ。マスコミも政治家もマジで信用ならねぇ」


「それは一理あるな」


「まぁ、冷静になれって話は聞いておく」


「そうだな」


 洋三郎は椅子を並べた即席のベッドの上で目を閉じた。だが、眠ることができなかった。


「眠れないのか?」啓介が尋ねた。


「あぁ」


「俺も眠れない」


「体は疲れているはずなんだが」


「そういうこともあるさ」


「不思議だよな。なんで眠れないんだろう?」


「考えても仕方のない話さ」


 二人は黙ったまま、眠れない夜を過ごした。

>>登場人物

本田啓介(ほんだけいすけ)33歳


杉田洋三郎(すぎたようざぶろう)34歳


>>設定資料

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