45.バリケードの内側
「よいしょっと」伊藤俊介は玄関に食器棚を置いた。
「これはどうする?」岩本京子が椅子を持ちながら俊介に尋ねた。
「それは勝手口に持って行って」
「良い感じに仕上がってるわね」
「これで誰かが侵入しようとしても時間が掛かるはずだ」「さて、勝手口も仕上げようか」俊介は大きなソファを持ち上げた。
パズルのように家具を設置すると、玄関と勝手口にバリケードが出来上がった。
「ふぅ、疲れた。これで何とかなるだろう」
「俊介、お疲れ様」京子は俊介の額の汗をハンカチで拭った。
「さて、二階に上がってご飯にしよう」
「賛成」
二人は二階の部屋に移動すると、弁当を食べ始めた。
「美味いな」
「美味しいわね」
「そう言えば、京子さんの親はどんな人なの?」
「私の親は普通かな」
「そうなんだ」
「俊介の親はどうなの?」
「俺の親は最低だ。会社経営に失敗して多額の借金がある」「どうしようもない親だ」
俊介は食べるのを止めて、京子に向き合った。
「俺が家に帰ると親父が泣いていたんだ。訳を聞くと、首吊り自殺をしようと思って失敗したんだそうだ」「俺は親父を殴った。親父は何も言わなかった」
「だからドゥームズデイに参加したんだ」「馬鹿な話だろ?」
「そんなことないよ。私なんてホストで遊ぶために参加したんだから」
「ホストってそんなに面白いの?」
「うーん、どうだろう? ストレス発散にはなるわね」
「俊介もホストやってみたら?」
「俺には無理だよ」
「そう? 向いていると思うんだけどな」
「無理だよ」俊介は再び弁当を食べ始めた。
>>登場人物
伊藤俊介19歳
岩本京子20歳
>>設定資料
グロック17。扱いやすい自動拳銃。装弾数は17発。




