44.SONG②
「早苗さん、お風呂に入る?」伊藤文江が尋ねた。
「三十分しかないから、止めておくわ」高橋早苗が答えた。
「お弁当、どっちにする? 文江さん」
「私はハンバーグ弁当にする。早苗さんは?」
「私も同じのにするわ」
二人は弁当を選ぶと、武器のカウンターに向かった。受付の女性スタッフが笑顔で対応してくれた。
「弾薬と手榴弾の補充ですね」
「ええ、お願いするわ」
「では、こちらとこちらになります」女性スタッフは弾薬と手榴弾を二人に渡した。
「早苗さん、これからどうするの?」
「秘密基地に戻ってもいいけど、せっかくだから冒険しない?」
「いいわね。どこに行くの?」
「中央にあるショッピングモールはどう?」
「面白そうだわ」文江は地図を確認した。
二人は飲み物を選ぶと、セーフポイントの外に出て弁当を食べ始めた。
「んー、美味しい」
「本格的なハンバーグね。しっかりと作ってある」
「空腹だったから、さらに美味しいわ」
「究極のスパイスね」
「しかし、何で早苗さんの武器は手榴弾なんだろう?」
「私ね、若い頃はソフトボールの選手だったの。全国大会に出たこともある」
「なるほど、それで手榴弾なのかな」
「多分ね。でも、そうだとしたら冗談みたいな話ね」「ソフトボールでは人を殺せないから」
「文江さんの【ベレッタ92】は何か意味があるのかな?」
「私、何の取り柄もないからじゃないかな?」文江は笑った。
「そんなことないわ。文江さんには根性があるから」
「ありがとう、早苗さん。でも、私の武器はこれでいいのよ。扱いやすいし」
二人は食事を終えると、ショッピングモールに向けて歩き出した。
>>登場人物
伊藤文江59歳
高橋早苗62歳
>>設定資料
ベレッタ92。扱いやすい自動拳銃。装弾数は15発。
M26手榴弾。破片手榴弾。爆発の衝撃と金属の破片を広範囲に飛散させる。




