42.白紙のノート
「あのさ、保安官事務所まで行ってみないか?」桐谷将也が奥田由美に尋ねた。
「どうして?」
「この町がキャッスルRなら調べた方が良いと思って」
「さっきの怖い話ね」
「何か引っかかるんだよ。この町は変だ」
「例えば?」
「表の看板が盗まれていないんだ。この時代の看板は高く売れるんだよ。アンティークとして」
「そうなんだ」由美は腕を組んだ。
「ところで将也君は英語ができるの?」
「うーん。簡単な会話ならできるけど」
「安心して。私、帰国子女だから」
「マジ?」
「小さい頃、ニューヨークに住んでいたんだ。お父さんの仕事の関係で」由美は鼻を撫でた。
「敵との戦闘はどうするの?」
「戦いながら調べるって感じになるな」「でも、できるだけ戦闘を避けよう」
「うまくいくかしら?」
「万が一の時はそのショットガンを撃てば問題はないよ」「強い武器だからね」
「ところで、さっきから何を見ているの?」由美が尋ねた。
「この机を見て。ノートが白紙だ。その横の机も」将也は指を差した。
「不自然じゃないか? 何か書いてあってもおかしくないだろう?」
「これ、上のページが破かれているわ。何で?」
「何かが書いてあったんだろう。見られると不都合なことが」
「偶然ってことはない?」
「やっぱり何かがおかしいよ」
二人は荷物をまとめると、北東にある保安官事務所に向かって歩き始めた。
>>登場人物
桐谷将也25歳
奥田由美23歳
>>設定資料
レミントンM870。ポンプアクション式散弾銃。所謂、ショットガンだ。




