37.コミュニケーション
多田裕也と安達信二は北西のセーフポイントに来ていた。
「あんた、何かスポーツでもやっていたのか?」信二が尋ねた。
裕也は無言のまま、弁当を荷物に入れた。
(この調子じゃコミュニケーションを取るのは難しいな)信二は肩を落とした。
「なぜ、そんなことを聞く?」
「ただの会話だよ。あんたが何を考えているのか理解したいんだ」
「寂しいのか?」
「そうかもしれない。こんな環境じゃ仕方がないだろ?」
裕也はまた無言になった。二人は飲み物を確保すると、セーフポイントの外へ移動した。
「どこに向かうんだ?」信二が尋ねた。
「中央に向かう」
「ショッピングモールか。人が集まっていそうだな。でも、危険じゃないのか?」
「ここは退屈だ」
二人が会話をしていると、後ろから女の二人組が拳銃を撃ってきた。弾丸が信二の右肩をかすめた。
「痛てぇ、このクソ女」信二は叫んだ。
「喚くなよ。ゴミ野郎」女は再び信二を狙いながら、銃の引き金を引いた。
裕也は信二の体を突き飛ばした。信二が地面に転がると、弾丸は空を切った。
「何をするんだよ」信二は訳が分からなかった。
「テメー、邪魔すんじゃねぇよ」もう片方の女が銃を構えた。女が引き金を引く前に、裕也の工事用ハンマーが女の側頭部に直撃した。女は目を見開きながら卒倒した。
「クソ野郎が」もう一人の女が裕也を狙って銃の引き金を引いた。だが、信二が女に体当たりをすると、弾丸は別の方向へと向かった。その隙に裕也が工事用ハンマーを女の頭に叩きつけた。
女の目玉が衝撃によって飛び出した。女は即死だった。
「あぁ、生きてる」裕也は空を見ながら呟いた。
>>登場人物
多田裕也35歳
安達信二32歳
>>設定資料




