35.地味な家
伊藤俊介は東の住宅街で境界線に張られている黄色いロープを見つめていた。
「どの家にするの?」岩本京子が尋ねた。
「境界線から近い家だね」「できれば二階建ての家が良い」
「あの白い家はどう?」
「うーん、少し目立つな」「あまり目立たない家のほうが良いと思う」
「だったら、あの家は?」京子が指を差した。
「あの家か。うーん、そうだな。あの家なら大丈夫そうだ」
二人は境界線から少し離れた地味な家を選んだ。
「中は意外ときれいだね」
「埃が積もっているけど、整理整頓されている」
「さっき調べた家もきれいだったよ」
「不思議な話だな。もっと荒廃していてもおかしくないのに」
「この町自体、きれいなものだわ」
「まぁ、そういうこともあるのかな。ひとまず、二階に上がろう」二人は二階に上がった。
「この部屋かな?」
「この部屋がどうかしたの?」
「窓からこの付近の景色が見えるはずなんだ」俊介は荷物を下ろした。
「へぇ、見晴らしが良いわね」
「よし、これで外の様子が分かる」「後は一階の玄関と勝手口をバリケードで塞ぐんだ」
「籠城するのね」
「食料と水はあるし、一階にトイレもあるから完璧だな」
「うまく行くと良いわね」
「あぁ、ハイバネーション作戦開始だ」「きっとうまく行く」
二人はバリケードを作るために一階に向かった。
>>登場人物
伊藤俊介19歳
岩本京子20歳
>>設定資料
グロック17。扱いやすい自動拳銃。装弾数は17発。




