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DoomsDay  作者: 文乃絢千
34/56

34.SONG①

 伊藤文江(いとうふみえ)、高橋早苗(たかはしさなえ)の二人は、北西のセーフポイントに向かう途中で、二人組の男たちに追われていた。


「このババア、待ちやがれ」


「くそ、本当にババアなのか?」


 文江と早苗は建物の陰に隠れた。二人とも息が上がっている。


「文江さん、やるわよ」


「ええ、早苗さん」


 文江は【ベレッタ92】をリュックから取り出した。


 文江は男たちが近くまで来ると【ベレッタ92】の引き金を引いた。乾いた銃声が響く。


「危ねぇ、伏せろ」男たちは姿勢を低くしながら、ボロボロのベンチの陰に移動した。


「くそ、飛び道具は厄介だな」


「どうする?」


「一旦、引こう。ババアにやられたんじゃ洒落にならねぇ」


「そうだな」男たちは退(しりぞ)いた。


「早苗さん、何か様子がおかしいわ」


「静かね」


「逃げたんじゃないかしら」早苗は【M26手榴弾】をボロボロのベンチに投げた。ベンチが爆発したが、他には反応はなかった。


「これからだったのに」文江は肩を落とした。


「冷静な相手だったってことよ」早苗は文江の肩に手を置いた。


「冷静な決断ができる相手は手強いわ」


「そうね。もしかしたら二人ともやられていたかもしれない」文江は【ベレッタ92】をリュックに入れた。


「少し疲れたわ」早苗が地面に座り込んだ。


「早苗さん、大丈夫?」文江は笑った。


「少し休んだらセーフポイントに行こう」


「そうね。私もお腹が空いたわ」


 月明かりが二人を照らしていた。

>>登場人物

伊藤文江(いとうふみえ)59歳


高橋早苗(たかはしさなえ)62歳


>>設定資料

ベレッタ92。扱いやすい自動拳銃。装弾数は15発。


M26手榴弾。破片手榴弾。爆発の衝撃と金属の破片を広範囲に飛散させる。

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