33.偏見
本田啓介と杉田洋三郎は南西のセーフポイントに来ていた。
「弁当、何個食べる?」啓介が尋ねた。
「このサイズなら三つだな」洋三郎が答えた。
「俺が弁当を持って行くから、洋三郎は飲み物を頼む」
「分かった。水とかで良いか?」
「コーラがあったら二、三本取って来てくれ」
「了解」洋三郎は飲み物を取りにドリンクコーナーへ向かった。歩きながら商品を眺めていると、洋三郎は女とぶつかった。
「痛てぇな、この野郎」女が怒鳴った。
「どうかしたのか?」女の仲間が後ろから現れた。女は洋三郎を睨んでいる。
「こいつが突然、ぶつかって来たんだよ」
「こいつ、不倫野郎じゃないか」男が言った。
「知ってるの?」
「知ってるも何も、有名人だよ。こいつ」「不倫相手の旦那が自殺したんだ」「可哀想に」
「このクズ野郎」女は洋三郎の顔に唾を吐いた。洋三郎は黙って顔を拭った。
「何か揉め事か?」啓介が話しかけた。
女は啓介が現れると、弁当コーナーに向かった。男も後を追った。
「何があった?」
「あの二人組、殺して良いか?」洋三郎の体が震えている。
「あぁ、良いぜ。ぶち殺してやろう」啓介は訳を聞かなかった。
二人はセーフポイントの入口付近で二人組を待っていた。女が出てくると、洋三郎は全速力で走った。洋三郎に気が付いた女は鞄から拳銃を取り出したが、間に合わなかった。
洋三郎が女に体当たりをすると、女は吹き飛んだ。洋三郎は女の上に跨った。
「殺してやる」洋三郎は拳を握ると、女の顔を殴った。女は悲鳴を上げた。
もう片方の男を啓介が金属バットで殴った。男は手にしていたナイフを地面に落とすと、片膝をついた。啓介は「ホームラン」と言いながら男の後頭部をフルスイングで殴った。男は口から泡を吹きながら地面に倒れた。
洋三郎は女の顔を殴り続けている。
「洋三郎、もう死んでるよ」啓介が洋三郎の腕を止めた。
「このクソ女」洋三郎は女の死体に唾を吐いた。
>>登場人物
本田啓介33歳
杉田洋三郎34歳
>>設定資料




