29.セーフポイント
才華はシャワーを浴び終えると、荷物から替えの下着を取り出した。時間がないので、髪は濡れたままだった。
外に出ると、大田が待っていた。
「弁当と水、薬と弾丸を確保した。他に必要な物はないか?」
「お菓子とか欲しいです」
才華と大田は一通り見て回ると、お菓子のコーナーに向かった。コンビニにある棚のような物に、お菓子が並んでいる。
「大田さんは何にするんですか?」才華が尋ねた。
「俺はチョコレートにしようかな」大田は棚にある板チョコを十枚ほど荷物の中に入れた。
「大田さん、取り過ぎですよ」才華は笑った。
「良いんだよ、無料だから」大田も笑った。
「私はグミと飴の袋をもらいます」才華もお菓子をリュックの中に入れた。
「時間だ。セーフポイントから離れるぞ」
「はい」
二人はセーフポイントを出ると、学校に向かった。
「大田さんはシャワーを浴びなくて良かったんですか?」
「俺は一週間くらい風呂に入らなくても平気だ」
「明日は私がお弁当とか確保するんで、大田さんはシャワーを浴びてくださいね」
「才華ちゃんは俺のお母さんか?」
「はい、私は厳しいお母さんですよ」
「やれやれ、まいったな」大田はお手上げのポーズを取った。
「ところでシャワーにはタオルとか用意されているのか?」
「たくさん、ありましたよ。心配しないでください」「シャンプーとリンス、ボディソープもありました」
「替えの下着は雑貨コーナーにカルバン・クラインの物が置いてあります」
「必ず、浴びてくださいね。大田さん」
「はいはい、分かったよ」大田は煙草に火をつけると、深く吸い込んだ。紫煙が風になびいていた。
>>登場人物
鈴木才華17歳
大田六三郎49歳
>>設定資料
L115A3。ボルトアクション式の大口径スナイパーライフル。射程距離は1,500m。弾はマグナム弾。




