28.学校
才華と大田は南東の学校に辿り着くと、二階の教室で休憩を取った。
才華は鏡を見ながら化粧を直している。大田は双眼鏡で窓から外を眺めていた。
「大田さん、飴食べます?」才華は飴玉を大田に渡した。
「お、美味いな、これ」
才華は荷物から家族の写真を取り出した。
「ご家族の写真か?」
「はい」
「妹さんはどこだ?」
「夢佳はこの写真の子です」才華は写真を大田に渡した。
「ん? 才華と似てないな」
「妹は母親に似ているんです。私は父親に似ました」才華は笑った。
「良いご家族だ」
「大田さんのご家族は?」
「母親がいる。親戚とは疎遠だ」
大田は再び双眼鏡で外を眺めた。才華は窓からスナイパーライフルのスコープを覗いた。
「あの木に掛かっている看板を狙えるか?」
「はい」才華は狙いを定めて引き金を引いた。弾丸が看板のど真ん中に命中した。
「良い腕前だ」大田は感心している。
「そうですか? 弓と違って安定感がありますね。火薬で飛んでいるからかな?」
「さぁ、どうだろう? それよりお腹が空かないか?」
「空いてます」
「この近くにセーフポイントがあるから、食料を調達しよう。他に薬とかも欲しいし」
「大田さんの右肩の傷、大丈夫ですか?」
「まぁ、抗生物質と痛み止めが必要だな」
「早く取りに行きましょう」才華は心配そうな顔をしている。
二人は南東のセーフポイントに向かった。夕暮れの光が二人を照らしていた。
>>登場人物
鈴木才華17歳
大田六三郎49歳
>>設定資料
L115A3。ボルトアクション式の大口径スナイパーライフル。射程距離は1,500m。弾はマグナム弾。




