26.消えた住人
桐谷将也はガソリンスタンドの看板を注意深く見つめていた。
「どうかしたの?」奥田由美が尋ねた。
「看板の横にキャッスルRって書いてあるから、この町の名前かなと思って」将也は看板を指さした。
「多分、そうなんじゃないの?」
「こんな偶然あるのか?」将也は困惑していた。
「何の話?」
「この町がキャッスルRなら、とある事件が起きた場所だ」「前にバーで客から話を聞いたことがある」
「どんな話なの?」
「この町の住人が突然消えたんだ。赤子から老人まで全員だ」「当時は軍までこの事件を調べていたらしい」
「誰の仕業なの?」
「さぁ、でも、アメリカで大きなニュースになったそうだ」
「本当の話なの?」
「んー、どうだろう。酔っ払いの話だからね」
「ちょっと薄気味悪いわね」由美は悪寒がした。
「だろう?」
「集団自殺、宇宙人の仕業、政府の実験。いろいろと噂があったみたいだし」
「そのお客さん、何者なの?」
「六本木で怖い話とかのイベントをやっている人だったよ」「専門家だね」
「ひとまず、集団自殺ではないわね。死体がないもの」
「確かに」
「でも、宇宙人も信じがたいわ。私、宇宙人を見たことがないもの」
「じゃ、政府の実験か?」
「政府が絡んでいたら、もっと上手くやると思う」
「まぁ、噂だからね。真実は藪の中さ」
「なんか怖くなってきた」由美はショットガンを腕に抱きしめた。
>>登場人物
桐谷将也25歳
奥田由美23歳
>>設定資料
レミントンM870。ポンプアクション式散弾銃。所謂、ショットガンだ。




