表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7話: Dog of Vigilante

 決めた。私は自警団の犬になる。もうなんでもいい。苦し紛れながらもあの連中たちに絡んでおくことが今の安寧の暮らしなのだよ。イケメンになった私はもう何でもできる。待ても、おまわりも、[検閲により削除]も、[検閲により削除]でさえも。ついでに一人称も変えようかな。グッバイ私、こんにちは俺。さあ、俺TUEEEフェーズだ。


 そう言いながら自警団の裏口まで来たが…どうやって入るんだっけ。前来た時は鍵で入れてもらってたよな?どうする?誰か来るまで待つ?んなことしてたら日が暮れちまうぞ。やっぱドアノックしてみる?ついでにMay I come in?って言ってみる?ああそうだ、英検二級あれ絶対落ちたよな…何の話?こんな世界で英語が使えるとでも?でもドアノックしても誰も答えてくれなかったらどうしよう。そんでノックの回数も何回だっけ?二回が面接?三回がトイレ?あれどっちだっけ?逆だったよな。くっそ、スマホが使えたらこんなことで悩まないのに。

 ええいニコラ、勇気を出すんだ。イケメンなんだろ。イケメンの行動の全ては万物が崇めてくれるんでしょ。臭い顔のやつなら黒歴史になるやつもイケメンなら天才的なかっこよさに。なんだっけ鉄火巻きで壁ドンするやつとか。少女漫画にあったよね。やってみるか?いや、食べ物を粗末にしてはならぬな。てか鉄火ドンに惚れる少女が世界にどれほどいるのだろう。おそらく自認マグロの方とか。いや何でそっちに走るんだよ。同胞の肉調理した食品壁に押し付けられる様子を愛でるとか相当拗らせてる。何の話だよ。ああもう早くしろよお…俺。どっどっ読者がブラウザバックしちまうだろ!


 コンコンコン。やってしまった。もうこれでよかったんだ。この選択はきっと間違いじゃなかったんだ。自分を信じた結果だ。メリーバッドエンド。きっと世界から見れば間違っていても、わた…俺はこれで納得しているんだ。はい、パラノイド・ノーマッド終了ね。連載期間こそ短かったけど今までありが…


「すっげードアの前でうろちょろしてる足音がするなーと思ったらあんたかい。何そんな自信なさそうにノックしてんの…」

 ルーカスがドアを開けてくれた。全部バレてんじゃねーか…バカみてえだ…

「ニコラおかえりー。なんか…肌艶すごいね」

 ヴァーチュオが褒めてくれた。え。好き。いやいやいやいや、そうやってチョロく惚れて何回バカを見たと思ってんだお前は。過去から学びなさい。ほんまに。やーそんなこといっても耳が熱くなる。マジでこういうの慣れてないんだよ。あーでもイケメンの照れは可愛くなるもんな。大丈夫大丈夫。次の第一声はわかってる。『照れてるの?かわいい〜』とかその辺やろ。まあまあ。

「え?お風呂入っただけでこんなつやつやになんの?すごい魔法の湯じゃん。」

 いや気付け!んてかさ、そんなまじまじとわ..お..自分の顔見られたら流石に恥ずかしいものがある。しかもこんな乳が…いやほら、可愛い子に見られてるなら尚更。顔まで赤くなっていくのを感じる。それこそ日本猿みたいになってることだろう。

「なんかお前顔赤くね?のぼせたのか?」

 ルーカスって本当空気読まないよな。やっぱカスだわこいつ。所詮お、俺より顔面良くないくせに。いや身長で負けてるわ。負けオスですすいません。でもカスなことに変わりはありません。やっぱ俺呼びやめようかな。いいやここで訓練しとかないと。なんてボケーと考えていたらとうとうヴァーチュオが私の頬をつついてきた。

「弾力もすごいね〜。私も毎日行ったらこうなるのかな。」

 もうやめて。嬉しいんだけど脳の処理が追いつかん。えっと何の話してたっけ。ちょっと待ってくれ、本当に…


「ヴァーチュオ、そのへんにしてやれ…」

 ルーカスは本当に何がしたいの?もしやさっきわかって揶揄っていた?ひ〜、腹立たしい。こういう訳わかんない感情を抑えるには…クールダウンだな。ほら通級の先生言ってたでしょ。

「ちょ、ちょっとトイレ行ってくる!」


 はあ。まいったな。もう全部後手に回っている。あそこまでヴァーチュオって気ままな人だったっけ。やられたなあれは。他の男にも同じようなことを繰り返しているのはわかるんだけど、それが余計さっきやられたことを思い出すトリガーになってしまう。ええと、何の話しようとしてたんだっけ。そうだ、ここで飼ってくれって話だ。でもこの流れだと何か分が悪いというか…プライドに触るというか。いいやさっきまでお前プライドとかなかっただろ。なにそんな便利な言葉で自分を武装しようとしているんだ、カッコ悪いな。ああ、誇り高い人たちはこういう悩みがあるんだな。贅沢な悩みだな。いいや贅沢な悩みであることを認識したところで何の生産性もないやん。きなくせえな。…そしてトイレも…臭えな…やかましいわ…なんか疲れちゃった…まだ昼下がり…


 とりあえずトイレから出てきた。手を洗いたいがそんな設備は…あった。小さい滝じゃないがなんか作ってある。んてか朝にトイレ行った時に気づけよ。汚ねえな。何だろな、こういう衛生観念においては江戸時代のそれじゃないが、どこか進んでいる気がするんだよな。なるほど、こういう世界ね。よし、これ新視点。


 リビング並みの広さしかない例の部屋には、ルーカスだけが座っている。なんか父親みたいな貫禄出してるな。悪く言えばジジイ臭え。先ほどおちょくられた件でシルエットを目に入れるだけで若干の怒りが湧くが、今はそれを抜きにしてなんか自然な切り出しを…

「あの、ルーカスさん。」

「どうした少年。」

「えーと僕は…このあとどうなるのですか?」

 あかん質問が抽象的すぎる。相手の理解力に極振りした無礼な文言になってしまった。ひー、怒らないで。

「ずいぶん変な質問してきたな。」

 そういってルーカスは、持っていた文庫本らしきものを閉じて、こちらに視線を向けてきた。その姿もやはりジジイくさい。というか印刷技術も普通にあるんだ?いやあるか。博物館にいろんな書物が残ってるだろ。ただ、今の本とはどこか作りが違うことはわかる。捲り方を間違えたらビリビリになりそうだ。

「とりあえずお前を保護してることは行政や軍にもう話してある。とりあえず調査が終わるまではここで面倒見てやるよ。」

 行政って、なんかずいぶん現代的なシステムだな。もうここまできたらe-taxのシステムとかあっても驚かないぞ。ってe-taxってなんだっけ。てか軍?まあ…そうか。やばい情報持ってるかもだしな。あっちからしてみれば。

「じゃあ…そのあとは?」

「働いて生計を立てるんだよ。当たり前だろ。」

 ですよねー。遠回しに追い出すって言われてるんだよねこれ。こっから挽回するには…もうぶっ込んじまうか。

「なら…ここで働くことって…できますか?」

 あーあ。言ってしまった。完全に話の組み立て方を間違えたな。どうすんだこれ。どうにもならんな。ああくそ、もうなるようになれ。Let it be〜♩Let it be〜♩

「珍しいこと言うな。まあ構わないけど…けっこう辛いぞ?」

 あ、なんかすんなりいきそう。

「てか第一、お前自警団のやってることちゃんと把握しきれてないだろ。」

「それは..そう。」

「えっとな、部署が2つあってだな。防衛課は、門の外で迂闊にうろついてるお前みたいなアホをレスキューするところ。攻撃課は、門の中での治安を守るために色々やるところ。どっちにしてもかなりハードだし薄給だぞ。けど人手は常に足りないからまあ、来るのは歓迎。もう少し考えてから話してきなさい。」

 命からがらの難民に対してアホってお前さ…なんか人として重要な何かが欠けていないか?こいつの部下になるのやだな。とはいいつつもヴァーチュオのことを考えると、そしてひとまずの安寧と天秤にかけるとまだ耐えられるタイプの苦痛だ。

「わかりました。決意が固まったらもう一度お話ししますね。」

 あーもう、今日はここまでにして自分の部屋にいよう。なんだか動く気分になれねえ。もう夕方になろうとしているが、今日はもう終わり。

私は本文と設定資料との相違がないかを検証するためにGeminiを使用していたのですが、学習のオプトアウトできないことに嫌悪感を覚えたためローカルLLMを試してみる事にしました。16GBのメモリでは到底使い物になりません。もっといいの買えばよかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ