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イケメンだらけのドラッグストアでいつのまにか全員から執着されていました  作者: 薬師寺 あかね


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夏草学園の桔梗まつりと、チケット争奪戦

今回は天音ちゃんの高校時代の同級生・日野美香ちゃんが初登場!

女子校である母校・夏草学園の学園祭「桔梗まつり」のチケットを巡って、所沢駅前店の調剤室でイケメン達のガチすぎるチケット争奪戦が勃発!

さらに、神楽坂エリア長が「妹の楓経由でチケットを押さえる」という最強のコネを炸裂させてドヤ顔をキメる中、すっかりモテモテの「男たらし」になってしまった親友の姿に、美香ちゃんは驚きと心配を隠せず……!?

ついに舞台は女子校の学園祭へ

私は日野美香、二十八歳。

薬師寺天音ちゃんとは、懐かしき高校時代の同級生だ。

最近、天音ちゃんが所沢の店舗に赴任してきたと聞いたから、久しぶりに遊びに誘おうと思ってやってきた。こうしてまた会えるなんて、本当に楽しみだなぁ。

ちなみに、私たちの母校は完全なるお嬢様女子校——『夏草学園高校』である。

今度、そこで伝統の学園祭『桔梗まつり』が開催されるのだ!

もちろん、セキュリティ面もバッチリな完全チケット制。変なヤバい男が入り込んできたら一大事だからね!

まだまだ天音ちゃんなんて中身はすっかりピュアな乙女だし、女子校の敷地内なら変な虫が大量に入ってくることもないでしょ! ここぞとばかりに、ふたりで懐かしい校舎を回って存分に遊べるはずだ♪

そんなこんなで、ウキウキと数枚のチケットをバッグに忍ばせ、私は所沢駅前店の自動ドアをくぐったわけだが……。

「……なんだこの状態は……?」

目の前に広がっていたのは、謎のハイパースペック美形イケメンたちに囲まれて、手作りのクッキー(?)を配りながらホクホクと幸せそうに微笑んでいる天音ちゃんの姿だった。

……なんだこれ? イケメン幼稚園……?

「あ、あの〜……」

「あっ、はい、こんにちは!」

あまりの異様な光景に完全に慄いていた受付の事務員——田中井さんが、慌ててとっさに声を返してくれる。

その背後で、さっきまでクッキーを食べて油強しきっていたはずのイケメンたちが、一斉に背筋をピンと伸ばしてキリッとした顔をつくった。……いや、遅いよ! 丸見えだったよ!

「あの、薬師寺さんにお願いしたいんですけど……」

「あ、美香ちゃん! 久しぶりーっ!」

「天音ちゃんこそ! 全然顔出してよー、会いたかったから来ちゃった!」

ポワポワとした、懐かしい女子校のノリのまま私たちがキャッキャとくっつき合った瞬間——。

背後で控えていたイケメンたちが、一斉に色めき立った。

はっ……まさか、この人たち……全員、天音のことを……!?

マジか……。私と天音、そしてあと友人の分を含めても、手元にあるのはあと残りわずか二枚のチケットしかないのに……!

「あのね! 今度、『夏草学園の桔梗まつり』に行かない!?」

「あっ! 懐かしすぎる〜! 行く行く!!」

その一言を聞いた瞬間、ガワッと猛烈な勢いでイケメンたちがカウンターに乗り出してきた!

「あっ、天音さん! 俺も! 俺も行きたいです!! そのチケット、何枚かないですかっ!?」

「「「なっ……!?」」」

いきなり大型犬(橘くん)が食いついてきた!

「ならば俺だぁーーっ!!」

キザな一ノ瀬薬局長が、すかさず完璧な笑みを浮かべて割り込んでくる。

その隣で、透明感のある下田くんは、どうやら人混みが嫌いなのか「ふんっ」とそっぽを向いてプイッと気だるげにしている。

「じゃあ、俺と一ノ瀬薬局長にそのチケットを譲ってくださぁい!!」

「ちょ、ちょっと待って……!」

あまりの急展開と、自分を巡って目の前でバチバチと火花を散らし始めたイケメン達の姿に、天音ちゃんはすっかりオロオロと焦りまくっている。

「えっ……えっ! わ、私もみんなと行きたいけど……エリア長とも本当は一緒に行きたいよう……っ!?」

「「「「……っ!!?」」」」

――えっ? 今、天音ちゃん、なんて……?

驚いて後ろを振り返ると、さっきまで一番飄々としていたはずの神楽坂エリア長が、わずかに耳を赤く染めてポツリと呟いていた。

さっきまで「クッキー美味しかったな」なんて子供みたいに喜んでいた人とは思えないほどの、圧倒的な大人の余裕を纏っている……はずなのに、なぜか隠しきれない動揺がダダ漏れだ。

「……薬師寺先生がそこまで言うなら、私も……」

「なーに一足お先に1人でスカシてんすかエリア長! チケットは俺と一ノ瀬薬局長で半分コして貰っちゃいますよ!!」

「構わんぞ。……私には強力なパイプがあるからな」

「……は?」

あーあ、天音ちゃんがすっかり目をウルウルさせて困り果てちゃっているじゃない。……私、ちょっと余計なもの出しちゃったかしら……?

すると、神楽坂エリア長はフッと余裕の笑みを浮かべ、スマホを取り出しながらこう言い放った。

「私の妹の『楓』に頼んで、私もそっと追加のチケットを用意してもらうことにするよ」

「えっ……!? 楓さんって、あの……!?」

「ふっ。お前たち、私の妹が何処の出身か知らんだろう? ……我が妹、楓も夏草学園の卒業生だ。学年が違うから在学時は被っていないかもしれないが、当然チケットのツテはある。フッ……お前ら二人が知らないような情報も、お兄ちゃんならお手の物というわけだ。ハハッ」

「「なっ……なんだとーーっ!!?」」

一ノ瀬くんと橘くんが、悔しそうにガチで歯ぎしりをして地団駄を踏んでいる。

……すごい。

数ヶ月前まで、地味で真面目な一匹狼系だったはずの天音ちゃんが、いつのまにかこんな超ハイスペックなイケメン達を全員手玉に取る(?)ような、とんでもない「男たらし」に進化しちゃってる……!?

こんな華やかで危険すぎるイケメン達を3人も引き連れて、あの全校女子だらけの厳かな「夏草学園」の門をくぐったら……当日、母校の校内で大パニックが起きちゃうんじゃないかしら……!?

ちょっぴり心配になりながらも、心の中では「面白そうだからいっか♪」とワクワクを隠せない、私・日野美香なのであった。

「少しでも『面白かった!』『続きが気になる!』と思ってくださったら、下部の【★で評価する】や【ブックマーク】を押していただけると執筆の大きな励みになります!」

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