表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRゲームで鳥をもふもふしたいだけ!  作者: 音夢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/108

ミニ番外編:盾と精霊王の約束

 ルーイが出ていくと、部屋に静寂が戻った。


「アイギス様」


 傍らに控えていた聖騎士が、静かに問うた。


「あの者は……精霊王の想いを受け継げるでしょうか?」


 妾はしばし沈黙し、揺れる光の奥にある記憶を辿った。


  ……遠い昔。「失われし光の戦い」と呼ばれた大戦があった。今では昔話に過ぎぬがな。

 その戦いから世界を救った英雄。すべての根源を封じたのが精霊王。


『アイギス、お主は盾だが守られる覚悟はあるか?』


 記憶の中にある、穏やかで温かな声。磨かれる音。掌の体温。


『余はある。今まで多くの者に守られてきた。その想いを力に変え、この世界を守りたい。だから――余にも守らせてくれ。その想いを力に変えよ。そして……余を守ってくれるか?』


 妾は盾だ。守るのが務め。

 なのに――なぜ守らせてくれなどと言うのか。


『妾を何だと思っておるのですか。盾が守らず、誰が主様を守ると言うのです』


 妾には理解できぬお方だった。

 それでも主様は、いつも優しく微笑みながら、ゴツゴツとした手で妾を丁寧に磨いてくれた。


 だが、妾は守れなかった。


『すまない、アイギス。余の力が及ばなかった。残りのすべてを使い世界を切り離す』


『主様! ならば妾もお供致します! どうか、共に――』


『ならぬ。お主には余の意思を継いでほしい。この先、何百年もかけて世界は必ず変わる。だが、余はおらぬ。だから、お主が世界を繋ぐのだ。余の願いを守ってくれるか……? この世界が再び動くその時まで』


 永遠に等しい別れ。

 託された想い。


 主様は……嘘つきじゃ。結局、妾に守らせてはくれなんだ。

 ――主様が守ろうとした多くの者の中に。せめて……ご自身も、入れてほしかった。




 だからこそ――ルーイよ。

 お主ならば、きっと。



「……あぁ、きっと受け継ぐじゃろう」


 想いを託すように、光が静かに揺れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ