7章
七
「どうぞお上がり下さい。」
晴人達は、人数分の差し出されたスリッパを履いた。家の中は荒らされていなかったから片付ける事はなかったが、数十分前まであんな事件があったなんて、思えなかった。卜部は晴人達を専用の書斎に案内した。書斎にある本棚には物凄い量の本が、しまっておりこれだけで一件の本屋が開けそうな程だった。
また、これだけの本がありながら、本には日焼けや劣化がなくパッと見た感じほとんど新品同様に管理されていた。卜部は、本を全部手入れしていると言った。
「お探しの本は確かにこの中にあります…ですが、どこにしまったのか分からなくなってしまいましてね。どうか探すのを手伝って頂けませんか?」
「い、この本の中からですか…?」
晴人は、引き気味に答えた。馨と友里は完全に晴人任せな雰囲気だった。晴人は、思わず魔法を使ってしまおうかとも思ったが、人前で極力魔法を使いたくなかった。さっきは、やむを得ない事態だった為に魔法を使用したが、基本的に魔法は、探偵の仕事で使わないようにしている。暴力沙汰になりそうなら話は別なのだが。
「この中から探すのは、なかなか大変だな…」
晴人は、膨大な本の量を見ながら言った。すると、深春が本棚の前に立ち一つ一つ手に取って探し始めた。本は、作者順やタイトル毎に並べてあるわけでも五十音順に並べてあるわけでもないため探すのが非常に困難な事になっていた。それでも、深春は目を凝らして探している。
「森山さん。俺達も手伝うよ?」
「いいえ。大丈夫です。天宮さん達は休んでいて下さい。」
「けどよ…この数じゃ嬢ちゃん一人じゃ骨が折れるぜ?」




