6章 その2
晴人達は、微かに物音をする方へ向かう事にした。風呂場、トイレ、ゲストルームと部屋をみていくが、どこも、ものけのカラだった。さらに、進むと二階へと続く階段があった。
晴人達が、階段を上がっていくとうっすらと物音が聞こえてきた。晴人は、部屋の扉に耳を当ててみる。すると、中から布の擦れるようなモゾモゾという音が聞こえた。
「誰か居る…」
晴人はノックをしてドアノブを回そうとした。しかし、ドアノブには鍵がかかっており、左右に動くだけだった。その様子を見ていた馨は、晴人達を下がらせると乱暴にドアを蹴り破った。馨がドアを蹴り破ると、ベッドの上に中年男性が座っており、その下にロープで手首と足首を縛られ、ガムテープでクチを塞がれている男がいた。
「だっ、誰だお前等!どこから入りやがった!」
男は、興奮気味にベッドから立ち上がった。
突然現れた晴人達に驚いている様子だった。ロープで縛られている男が、呻きながら動いていた。
「ちっ、目を覚ましやがった!」
男が言うと、縛られている男の首元にに出刃包丁を突きつけ、晴人達を脅した。
「こいつを殺されたくなかったら大人しくしろ!」
包丁の先が首元に当たっていて、うっすらと小さな赤い点が浮かんでいる。
「やめろ…妙なマネをするな。」
晴人は、冷静に男に言う。
「あんた名前は?」
「俺の名前なんか聞いてどうするんだよ?」
「呼ぶ時に呼べないだろ」
「小位だ。」
「コグライ…下の名前は?」
「そんなの聞いてどうする!」
「……」
「ちっ、当男だよ!」
「コグライ…マサオさんか。俺は、天宮晴人。聞かれる前に名乗っておく。」
小位は、晴人を物凄い形相で睨んでいた。今にも、包丁を刺さんばかりの勢いだった。
「そう睨むなって…そっちにいる人が卜部さんか?」
卜部は、微かに瞼を上下に動かしそうだ、と反応した。晴人が、注意深く卜部の全身を確認する。幸い、目立った外傷はなく身体の自由が奪われている以外、異常はなかった。
「何しに来た。」
「卜部さんに、話があって来た。」
「そうか…だが、俺の方が先客だ。」
「普通の客には見えないな…卜部さんを離せ。」
「それは、無理な相談だ。できれば殺したいくらいだ。」
「やめろって」




