私は知らない
こころが晩御飯を食べ、風呂に入り、歯磨きをし…
もう寝る時間だ。
なのに両親が帰ってきていない。
「どうして…今日はこんな遅いんだろ…」
こころはベッドに寝転んだ。
熊のぬいぐるみに抱きつき、窓の外を眺めた。
窓から2人の魔法少女が見えないかと少し期待をしていた。
月と星の光が入ってくる。
何時になっても2人は見えなかった為、こころはそのまま寝た。
次の日、いつもの集合場所に行くといつもの友達がいた。
「おはよー!」
友達の名前は柊叶。
運動部なのでずっと体操服を着ている面白い女だ。
「いつも遅いのです!いつも朝、何時に起きてるのですか?」
2人目の友達の名前は手鹿舞。
小学6年生でこころより一才下の女の子だ。
なのにこころよりしっかり者だ。
身長ももうすぐこころに追い付きそうだ。
「7時に起きてるけど、ゆっくり紅茶を飲んでいたらいつの間にか…」
「しっかりしてなのですよ!」
「えへへ~」
…これでもこころの成績は良いのだ。
…遅刻は沢山しているので、成績が良いのは、ほぼテストの点が高いからである。
「そろそろ電車行っちゃうよ~」
叶と舞は駅の方へ歩く。
「あ!急がないと!」
こころは2人を小走りで追いかけた。
「間に合ったわっ」
「もう、いつもギリギリなんですから」
電車に入ってすぐに、舞はカバンの中からテスト対策用のノートを取り出した。
「小学生なのにそんなにしっかりと勉強するの?」
こころは英語や数学のテスト勉強はするが、国語はやっていない。
堂々と1問しか解いていない国語の宿題を提出したことがあるくらいだ。
…なのに国語の点数が高いのは先生も友達も…本人も疑問に思っている。
そして数学が苦手な筈なのにいつも90点を取っている。
こころは勉強の才能があると思っている。
しかしノートのまとめ方や勉強時間は舞に圧倒的に負けているのである。
「私は隣町の私立中学校に行きたいからなのですよ!」
「すごいわ!
…え、あそこってお嬢様か天才しか行けない学校でしょ?あのガラス張りの!」
こころは驚いた
「そうだよ~」
天才の叶も言っているから本当に凄い学校の筈だ。
「合格してるわけじゃありませんですよ?」
「でもその学校に受験をしようと思うだけで凄いわよ!」
こころと舞は手を繋いだ。
「だって中学生で高校生レベルの…」
こころが話している途中、急に背中を叩かれた。
「ちょっと、叶~?」
こころが笑いながら後ろを向くと知らない人が立っていた。
「あぇぅえ?」
驚きで変な声を出してしまった。
どこかで見たことがあるような…
「あ!昨日の駅にいた人!!」
「…はあ?」
その昨日駅にいた高校生は驚きながら紙を渡してきた。
「さっき落としましたよ」
「ありがとう」
その紙は長い間クリアファイルに入っていた紙だ。
カバンの隙間から出てきたのだろう。
「なにこの紙…?」
表を見ると楽譜が書かれていた。
「楽譜…だね」
叶は紙を覗き込んできた。
こころは楽譜を見て思い出した。
「私…幼なじみと…バンドを…」
いつもスカートのポケットに入れているネックレスを布の上から握る。
「そうなの?」
叶は驚いた。
「…あれ?叶も一緒にバンドを…」
こころは叶を見た。
「…私は知らない」
やっと1日がたちました。
…1日が終わるまで9話もかかっています。




