自然の奇跡なんかじゃない!魔法だよ!(後編)
「…え!?あの魔法少女!?」
こころは驚いた。
大人に魔法は存在しない…と教えられていたはずなのに。
「本当の本当の本当に…魔法少女…?」
「そうよ!こころは魔法少女。」
妖精がそう言う。
「ま…ほう…少女…」
こころはこれが夢なのではないか疑った。
しかしこころは本当に魔法少女になったのである。
「さっきのバグは…?」
「大丈夫。バグは消えたわ」
消えた…さっきの指から出たレーザーで倒したのだ。
「本当に魔法?自然の奇跡でたまたま出来た物じゃなくて…」
こころは顔を上げて妖精をみた。
「本当よ!自然の奇跡なんかじゃない!魔法だよ!」
妖精は笑いながらそう言った。
ふも窓を見ると綺麗なグラデーションで月が昇り始めていた。
「そろそろ帰らなくちゃ…」
「じゃあ明日色々説明するね!じゃあね!」
妖精は学校に住んでいるのか知らないが、こころと別れた。
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遡ること数時間前…
「そろそろ…帰ろうかな…?」
華はギターを拾い、カバンを持った。
「…最後にトイレでも行こうかな」
部室の電気を消しながら呟く。
「皆にどうやって廃部する事を伝えれば良いんだろ…?」
歌の上手い部長、私とギターのライバルの先輩、頭が良くてキーボードが上手い先輩、ドラムが私より上手い友達、ベースがかっこいい幼なじみ、ギターを昔からやっている後輩…
皆の想いと夢と願いが壊れてしまったら…
またあの時のように別れてしまったら…
そう思うと廃部の件を伝えるのが怖くて…
「…大丈夫。皆なら『部活が壊れても皆でバンドを続けよう。』とか言ってくれるはず。」
華はそう自分に唱えた。
皆は明るくて優しい。
大丈夫。廃部してもまた集まってバンドをすれば良い…
嗚呼、また泣いてしまいそう。
泣いたって廃部になるのに…
何の解決にもならないのに…
そう思っていたらトイレについた。
先ほど練習した時の汗が、シャツについている。
体操服に着替えておこう。
と華は考えた。
中に入って着替えていた時、物音がした。
人の喋り声がした。
「何?このスマホぉ?学校では持ち込み禁止よ?」
「これは特別に許可を…ひゃッ!?」
ガリッと痛い音がした。
「何が起きているの…?」
華はドアを少し開けて個室の外を見た。
「あれって優等生の…」
優等生…雨傘さんが女の子を捕まえて、首を引っ掻いて、スマホを踏んで…
一瞬雨傘さんがこちらを見て、睨み付けてきたように見えた。
怖かったのでドアを閉めて鍵をつけた。
ガッシャーン…
凄い音がした。
華は踏んでいたスマホが割れた音だと気づいた。
「…こんな物なんて…ッッ!!」
次は紙が破れる音がした。
「…いゃ…それは大切な…」
「…何?これがですの…?」
雨傘さんは泣きそうな声で言った。
華は何かをする度涙がでそうになるなんて私みたい…と思った。
それと華は昔に雨傘と会った気がする。
「雨傘…昔に…一緒にバンド…してた子だっけ…………やっぱりそんな事…思い出したくない…」
どうしてだろう。思い出す事は出来るのに、思い出す事が出来ない。
また涙がでてしまいそうになる。
「雨傘さん。やめてあげてください。」
どこか懐かしい声が聞こえた。
「……」
華は息を殺した。
…あまり記憶は残っていない。
大きな物音がした。
何かが爆発したような。
この世の物ではないような叫び声が聞こえた。
するとピタリと音がやんだ。
それから怖くて怖くて怖くて…個室トイレからしばらく出ることが出来なかった。
これでリメイク前の1巻が終わりました!
次は新しい話の予定です。




