静かな街
生きてます。
華は椅子に帰ってくると、すぐにブラウニーとマカロンを食べ始めた。
こころが元気だな…と思っている間にブラウニーとマカロンを食べ終わった。
そんなに早く食べきれる物ではないはずだ。
流石成長期だ。
そして2人は店を出た。
昨日のようにどこが面白いのか分からない話を沢山した。
華と別れると、いつものように黒い柵を乗り越え、2個目の十字路を右に曲がり、さらに次の十字路を右に曲がる。
こころは家に入り、自分の部屋のベッドに寝転んで、熊のぬいぐるみを抱きしめた。
今日も両親はいない。
そしてスマホのような物を取り出した。
…少し見ていたはずが、窓を見ると太陽が沈んでいた。
すっかり晩御飯の時間だ。
しかしこころはスマホを置くと本を読み始めた。
…6時間くらいたっただろうか?
それくらい時間がたったとすると今は約10時だ。
そんな時間になるとこころは起きあがった。
空には月が浮かんでいる。
こころは地図とウエストポーチを持って家を出た。
近所の子供の大きな笑い声や機械の音がしない。
「…夜ってこんなに静かなのね」
暗い街にこころの声が響く。
こころは空を眺めながら少し速く歩いた。
十字路で左に曲がり、次の十字路でも左に曲がる。
そこから少し歩き、黒い柵を乗り越える。
カーテンから漏れる光がどんどん消えていく。
こころが歩くと街灯の光はどんどん増えていく。
こころはいつもと違う景色にワクワクしながら歩く。
いつも家族で騒いでいてうるさい家、機械を四六時中動かしているせいで沢山の煙が出ていた家、クラスの中で一番明るくてうるさい男の子の家…
本当に月雅なのかと疑うほどの静かさと暗さだ。
少し強い風が吹いた。
寒い風だとおもったが、あたたかい風だった。
外は寒いと思っていて一応上着を来ていたがあまり寒くなかった。
もう寒い冬は過ぎて今は春だ。
冬が長い間続いたから、こころはまだ寒いと勘違いしたのだろうか?
…駅に着いた。
時刻表をチラッと見ると次の電車は10時30分だった。
階段をのぼり月雅方面まで歩く。
そこから数分間電車をホームで待つことにした。
ホームには女子中学生が1人いた。
月雅とは違う学校の制服を着ていた。
前髪は長方形の赤いヘアピンでとめられている。肩まである茶色い髪の毛はそのまま下ろしている。
小さなカバンを持っている。
塾帰りだろうか?
その人が近づいてきた。
「…貴女これから何処に行くつもり?」
こんな時間に中学生が駅にいるなんて珍しい。
そう。こころはカフェに行こうとしている。
10時からカフェに行く…と正直に言ったら校則違反になってしまう。
「…塾」
「そう。
…こんなに遅くの時間から行く人が私以外にいるなんて。」
少女はつぶやいた。
「塾帰りじゃないの…?」
こころは驚いた。
「今から行くの」
少女は大きなため息をついた。
「その制服…月雅中学校じゃなくて南月中学校でしょう?
こんな遅くにこんな遠くの塾に行くなんて…」
「仕方ないじゃない。
しっかりと教えてくれる塾なんて月雅にしかないんだから。」
少女は少し馬鹿にするように笑った。
「私の名前は花霞結夏。先程言われた通り、南月中学校に通っているよ。」
結夏は自己紹介をした。
「…ところで貴女は何中?そしてどこの塾に行くの?」
「月雅中学校よ。制服を見たらわかるでしょう?
…塾はそのへんの…1丁目の塾よ」
「そうなの…私は月雅塾。」
…月雅塾は例の私立の学校に受験する人が通っているとても高くてとても頭の良い所だ。
…結夏はお嬢様か天才なのかもしれない。
「…こんな時間から塾に行くなんて、親厳しいの?」
こころは首を横に振った。
「別に厳しくは無いわ。
私がこの時間が好きだからよ。」
こころが10時くらいが好きなのは間違っていない。
親も…そんなに厳しくない方な筈だ。
結夏は笑った。
「私もこの時間好きだよ。
…だって、こんなに月が輝いているから」
ホームの屋根の無いところを指差した。
…確かに暗い空の中月が鬱金色に輝いていてとても綺麗だ。
窓から眺めるより美しかった。
悲しいことに駅が眩しくてあまり星は見えなかった。
アナウンスがなる。
…電車が来たようだ。
「綺麗ね………私は鮫田こころ。」
「ふふ…こんな時間に中学生とお話が出来ると思ってなかった。
今夜はありがとう。
塾…頑張ってね」
結夏はにっこりと微笑んだ。
「……ええ」
こころは少し罪悪感を感じた。
最初は馬鹿にしてくるみたいな感じで話しかけて来た疲れている少女は意外と優しくって、天才で笑って応援をしてくれた。
こころは塾ではなくてカフェに行くというのに。
こころは嘘をついたのに。
こころは足を動かした。
そして電車に乗った。
…空には月が浮かんでいる。
…とても綺麗だ。
やっぱり話を書くのが下手くそすぎる…




