商店街
私は生きています。
「……ん」
こころは座っていた。
路地裏の汚い雨水が制服に染み込んでいく。
太陽の光は少ししか入ってきていない。
路地裏の建物の壁にはもくもくと黒い煙が出ている煙突や、キーキーと不快な音をたてている謎の機械などが付いていた。
「こころ?」
こころの隣には華が座っていた。
「ええ………ここは?カフェは出たはずよ。」
「…やっぱり月雅?」
こころは立って路地裏を出た。
しっかりとカバンを持っている。
学校から少し離れた古い商店街だった。
ここには特に来たことがなかった。
商店街の店は朝も昼も夜もずっと開かない。
全ての店が閉まっているのだ。
まあ今の時代インターネットで色々出来るし、商店街に来てまで物を買わない。
2050年くらいには潰れたと親が言っていたはずだ。
本当に小さな頃にここの都市伝説を信じていたってくらいだ。
たしか商店街の招き猫がどーのこーのという…小さな子供が作ったような下手な怖い話だった。
「こんな場所があるなんて……私、知らなかった…」
華も遅れて走ってきた。
「まあ商店街なんて今の子知らないだろうし…ここは学校からも駅からも離れているわ。そして店は閉まっているし………あれ?」
こころは路地裏をちらっと見た。
「じゃあなぜあの機械は動いているの?ここに誰もいないなら機械は動かなくても良いはずだし」
「こころ、よく見て」
華はとある店を指差した。
店の看板には『カフェ』と書かれていた。
そして華はポケットから地図を取り出した。
「…きっとここがさっきの魔法少女のカフェに繋がってるんじゃない?」
こころは納得した。
「…そうっ…ぽいわね」
2人は商店街を出た。
長い長い道をゆっくり歩いた。
いつもより早く学校を出ていたからまだ空は明るい。
道を歩くと公園についた。
そこから昨日のように駅まで歩いた。
そして電車に数分乗っておりる。
金曜日で暇なので駅の近くの店でお菓子でも買って食べようとした。
まあ華が凄い勢いで話し、こころの腕をひいて店に行った…というのが正しいだろう。
そのお店には沢山のおしゃれなお菓子が置いてあった。
コーヒーとチョコレートの良い匂いが混じっている。
華は大きめなブラウニーと小さめのケーキと4個のマカロンをかごに入れた。
さっきカフェでポテトを食べていたはずなのに、成長期だし…仕方がないか。
華は「何が食べたい?」と聞いた。
こころは気まずそうに「じゃあ…これ」とシンプルな安いクッキーを指さして答えた。
お金は財布をこっそり持ってきていた華が払ってくれた。
「ごめん、ありがとう。また返すわ。」
「いーよいーよ!」
華は店員さんに追加でコーヒーを2つ頼んで、それらを受け取った。
2人は窓際の四人席に座った。
この店に2人席が無かったのだ。
華は椅子に座り、こころをソファに座らせた。
カバンはテーブルの下にあるかごにてきとーに入れた。
華はこころにケーキとブラウニーを見せてどちらが食べたいか聞いた。
こころはそんなにお腹が空いていないと答えてクッキーを食べた。
華は残念そうに外を眺めた。
ミルク風味の丸いクッキーだ。
こころは安いしそんなに美味しい物ではないと思っていたが、意外と美味しかった。
偽物の卵を使う料理によくある気持ち悪い食感と独特の腐卵臭がしなかった。
クッキーの食感はパサパサもしておらず、べちゃべちゃでもない丁度良い固さで、焦げてもいなかった。
いつものご飯よりもとてもとてもとっても美味しかった。
…というかいつものご飯と比べるのは良くない位に美味しかった。 華は手でケーキフィルムを剥がし、それについている生クリームをフォークで取って食べた。
「汚いわよ」
「生クリームが美味しいのが悪いよ」
こころはため息をついた。
約1週間投稿してない…




