2人の思い出
誤字があると思います。
自分で気付いたらすぐに修正しますが、気付かない時もあります。見つけたら報告おねがいします。
「…!」
こころは華に駆け寄る。
いつもの黒い髪をしている。
「華…その指輪…!」
華はいたずらっぽい笑みを浮かべてこころと手を繋いだ。
「さっきのバグはどうなったの…そして…どうして戦い方を知っていたの…?」
華はこころの質問をふざけずにしっかりと答えた。
「さっきのバグは『誘惑の水底列車』なんだってさ。あの綺麗な絵画で洗脳して、様々な絵画を見るために無限に続く列車の中を歩かせて少しずつ、じっくり、ゆっくりと。魔法少女の魔力を喰うらしいの。私も少し惑わされていたわ…。」
華は明るく笑った。
「まあ倒せたんだし、思い出さなくて良いよ」
華は性格がとても明るく優しい。
華は本当に優しくて、小学校2年生の頃に泣いている友達を慰めていていたような気がする。
こころも同じような感じで泣いて、宝石みたいにキラキラしたビーズの付いた高そうな可愛いペンを貰っていた。
たしかこころは先生に怒られて泣いた。
今思うと恥ずかしいしとても申し訳ない。
こころはそれを思い出して当時の友達や面白い出来事を思い出してふふっと笑った。
昔のなんてない日常の記憶は意外と残っているものだ。
華はなんで急に笑ったの?と聞いた。
こころはなんでも無いと笑って返す。
華も笑う。
少しすると華は笑うのをやめてゆっくりと呼吸をした。
「…そしてなぜ倒す方法を知ってたかと言うと…」
駅の外から冷たい風が入ってくる。
独特なペトリコールの香りを感じる。
「魔法少女に教えて貰ったの」
こころは驚いた。
「見た目は…?」
「黒い髪の毛で、スカートは茶色くて変なデザインだったよ。」
「…あ」
「もしかして魔法少女の知り合い?」
こころは昨日のバグを思い出した。
名前は…コード…だった気がする。
昨日と今日は色々あってこころは記憶があまり残っていなかった。
「実は…昨日…」
こころは華に説明した。
「私、昨日魔法少女になったばかりなのよ。トイレでとある子がバグに憑かれていたから倒して…そのあとフライパンが溶けて…そしてまたバグが現れて羽と黒髪の魔法少女に出会ったのよ。」
他にも色々説明したが、驚きなどの感情でよくわからない下手な説明だった。
華はしっかり話を聞いて、相づちを打つ。
…あの表情は多分理解出来ていないようだとこころは気づいた。
こころと華はカードを電車の出入り口にある端末に翳す。
華はカードをしっかりとパスケースにいれていた。
パスケースは白色で、水色のペンギンのイラストが可愛い。
「そのパスケース…どこに売ってるの?」
「可愛いでしょ~?」
華はこころにパスケースを見せた。
こころは頷いた。
椅子が空いていたので座った。
出入口付近の椅子が空いていたのは嬉しい。
ペンギンだし水族館のおみやげだと思った。
最近おしゃれな…こんな感じのおみやげが増えてきているし…
「実は…これ……」
なんでゆっくりなのよ…とこころは心でつっこむ。
「東月雅のショッピングモールで買ったんだ!」
「嗚呼。あそこね。駅前の。
私の家に近いわ。
…そのショッピングモールのどこの店で買ったの?」
「えーと……店の名前は忘れたけど…あそこだよあそこ。ネックレスが沢山売っている場所!」
たしかこころと華のおそろいのネックレスはここで買った気がする。
そのお店はとても安くて1つ1000円くらいで、自分のお小遣いでも足りて嬉しかった。
「あそこね…」
こころの店のイメージは小学生の低学年が好きそうなお姫様みたいな洋服とかキラキラなアクセサリーとかが売っているイメージがあった。
ここで売っている本当に高いペンを持っている人は神様のような扱いを受けていたのを思い出した。
お小遣いが沢山ある今でもあのペンは本当に高いと思う。
あのペン持っていた子の親はとても優しいかお金持ちなのだろうか。
でもこの大人っぽいパスケースが売っているなら久しぶりに見てみようかと思った。
「そのパスケース本当に可愛いわよ」
「え~そんなに~?あ、色違いも売ってあったからお揃いにできるよ!」
こころは笑った。
「じゃあまた行こうよ!」
「そうね。アイスの新作出ているからついでに食べて良いかしら?」
こころはアイスが好きだ。
フルーツ系のアイスだ。
特にイチゴ味とバナナ味が好きだが、イチゴバナナ味はあまり好きではない。
もちろん美味しいが、イチゴとバナナは別に食べた方が美味しいと思っている為だ。
「いいよ!ちなみに何味?」
華はこころに聞いた。
「ダブルチョコミルクコーヒーマシュマロ味よ」
どんなアイスかと言うと、チョコミルクとコーヒーの味をしたアイスに小さなマシュマロとチョコスプレーが沢山ついている。
「美味しそうだね!」
「このアイス…人気なチョコミルクを作っている会社とのコラボ商品なのよ」
「へぇ…」
華はその会社を知っている。
その会社のチョコミルクは本当に美味しいのだ。
コップにチョコミルクの粉を入れて牛乳を注ぐだけで完成だ。
昔は材料を鍋に入れて熱していたようだが、今は粉に温かくなる成分が入っている為、牛乳を入れるだけであたたかいココアが飲めるのだ。
…この仕組みのせいで冷たいココアは飲めなくなったが。
このような作り方や時代のせいでココア呼びされているがしっかりとしたチョコミルクだ。
味のバランスが良くて、チョコの味しかしない~だとか牛乳臭い~とかにならないのだ。
まあ当たり前だがしっかりと入れる牛乳の量を計らないといけないが。
「…そろそろ私の家に着くわ」
こころが言うと同時に電車が揺れる。
「今日はありがとう。」
こころが電車を降りた。
「私もここが最寄駅なんだけど」
華も降りた。
「久しぶりだったから家が近いの忘れていたわ」
「…私も忘れていた。
てかここ全然東月雅駅から遠いじゃない」
「でも方面は東月雅よ」
「ここの駅には何もないから都会の東月雅という事にしてサバ読んでいるの?」
正論だ。
「ギクゥッ」
「現実で言う人いたんだ…」
華は落ちそうになったこころのカバンを支えながら突っ込む。
駅の階段をおりる。
月雅と比べて階段が急だ。
そこから華と喋りながら数分歩いた。
「…って先生が言っててさ~」
華は担任の先生の謎発言について話した。
「ふふっ…まあ2年生はテストもうすぐだもんね」
「…そんなことは無いということにしておきましょう。」
2人は大きな声で笑った。
こんなに笑ったのは久しぶりだ。
「そろそろ私の家だから!じゃあね!」
駅を出てから3つ目のT字路を左折するようだ。
カバンを持ち上げながら両手を振る。
カバンから物が当たる音がする。
提出物のプリントはクリアファイルに入れてないのでクシャクシャに汚れるだろう。
「じゃあね!」
こころは左手でカバンを持ち、右手を大きく振る。
こころは華が見えなくなるまで手を振った。
「楽しかった…」
こころはショッピングモールで色々買ったり、アイスを食べる妄想をした。
たしかお父さんがアイスの割引券を持っていた気がする。
お父さんの事だから捨てている可能性もあるが…
まあ家に帰ったらお父さんに捨ててないか聞いて、おねだりをしようと考えた。
しかしこころは思い出した。
昨日から何故か両親が帰ってきていないということに。
もしかしたらここらが誕生しているかもしれない。




