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美しい奇跡の星







「…んぇ……」

こころは起き上がった。

昨日と違い地面はしっかりしている。

そして視界に半透明の手袋が写る。きっと魔法少女に変身したままだ。

体の傷はなぜか無くなっていた。

「あれ…?華…は…?」

大声を出したらバグに殺されてしまうかもしれない。

妖精に細かい説明を聞くまで下手な動きはできない。

ということで周りをゆっくりこっそり探索する事にした。

すると華が走ってきた。

「こころー!!」

大声を出しながら走ってきた。

こころは華の口を押さえた。

「静かにしなきゃ」

こころは周りを見た。

屋根があって壁もあって床もある。

空間はとても暗かった。

華と一緒に空間を探索することにした。

意外と空間は小さくて、少し歩くだけで壁に触れることができた。

「あれ…これって…?」

壁を触っていると冷たくて丸い物に触れた。

「固い……金属…?」

錆びた匂いがする。

手を離すとそれが外れて地面に落ちた。

大きな高い音がなった。

2人は驚いた。

こころは警戒して周りを見たが、バグは居なかったのでまた壁を触る。

「古い物かしら」

先程まで丸い物が付いていた壁が揺れた。

少し光が出てきた。

「わっ明るい…」

こころは手に力を入れた。

すると壁が動いた。

「……扉ね」

こころは扉を開けた。

たくさんの埃が舞った。

扉も大きな声をあげる。

「ごほっ…壁の…外は…っほ…」

外に出ると左側には窓があって、通路がとても長い。

地面が少し揺れた。

2人は警戒した。

こころは窓を見る。

「…」

変色した薄くて汚いカーテンを開けた。

窓の外を見ると、高速で走っているようだった。

森があり、雲も動いている。

しかし生物はいなかった。

「電車…かな…?」

次に華は通路の右側を眺めた。

右側には何枚も凄そうな絵画が飾られていた。 

「私そんなに詳しくないけど…素敵な絵だね」

「そうね」 

こころも絵は詳しくない。

もしかしたら凄い人の絵画かもしれない。

こころは絵画を見つめた。

それは悪魔の格好をした人が女性2人を助けている絵だった。 

その隣に貼ってある紙には

『 悪魔の救済

 悪魔であっても助けるべきと考える。

イメージで決めつけるのはよくない。』

こころはもっと怖い内容の絵だと勘違いしていた。

…確かに絵のイメージで決めつけるのはよくない。

次に見た絵画は女性がキャンバスの真ん中で1人、座っている絵だった。

女性の周りは黒の絵の具で塗りつぶされていた。

「描いた人…病んだのかしら?それか中二病?」

こころは笑いながら説明を見た。

『 いたい

 まだね、いたい

 永遠に、いたい

 もうね、いたい』

「…えーっと……」

こころは『いたい』を漢字で書いて欲しいと思った。

この絵の作者はやっぱり中二病なのかもしれない。

「これは…その…『居たい』であってる?なんか恋人に依存している…みたいな?」

「違うでしょ」

華はこころをペシッとした。

こころはもう一度絵を見た。

…居たいのは恋人じゃないかもしれない。

誰にでもずっと会いたい人が居る。

この作品の作者は大切なものを失ったのかもしれない。

「…こころ?」

華が肩を叩いて話しかけてきた。

「ひゃっ!?

…じゃあ他の絵画もみよう!」

「おー!!」

他の絵画は

綺麗な空と虹が描かれた『少女』や、

汚れた操り人形の形をしたお嬢様の絵『館菌(かんきん)の傀儡』や、1つのピアノが描かれた『音』など…

どれも素晴らしい作品だった。

「これで…最後の作品ね」

「悲しいよー」

2人とも絵画を夢中で見る。

バグとの戦いも夢の中だったら良いのに。

「「地…球…?」」

最後の絵画の名前を同時に言う。

絵画はキャンバスの真ん中に小さな丸が描かれていた。

…これが地球なのだろうか。

「えーと…説明は…『私が死んでも1人でも地球は回っている』」

「…さっきのよりも難しい内容だね」

華は絵をじっくり眺める。

「まるでガリレオ・ガリレイね」

こころは説明文を見ながら笑う。

「…私は…これが一番好きかも…」

「…私もこれが好きだわ」

こころと華はこれが好きだった。

「最初は地球という題名なのに主役が小さいんだな…と思ったわ。でも…なんか…その!宇宙から見たらこんなに小さな地球が美しいように美しい物は…そのっ!凄く!凄く!!凄いわ!!」

こころは語る。

「こころは昔から説明下手だね!」

と華は明るく悲しい事をこころに言う。

「……でもわかるよ…地球って美しい…奇跡の星。」

華は振り返ってこころを見た。

「でも…貴女も美しい奇跡の星だよ…!魔法少女こころさん?」

お久しぶりです。

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