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皆を守りたい!

「えーと家って北極方面?南極方面?」

「東」

華が東と答えたので、こころは南月雅に向いていた体を東に向けた。

そしてこころはホームへの階段を走った。

「なんで走るの…?」

華は質問しながら走ってこころを追いかけた。

「走る速さで…どうして科学部に…負けなきゃいけないの…」

華が息を切らしながらのぼる。

「その…華…歩いて帰る?」

走る速度を落としたこころが聞いてきた。

「何?」

華が階段を上がろうとするとこころが妨害してくる。

「帰ろうか…」

こころが華の腕を掴む。

「電車で帰らないの…?」

華は疑問に思いながら階段を下りようとした。


数分前ー

「ホームで何か起きてるらしいぞ」「何?結婚式とか?」「そんな平和なもんじゃあない」「見に行こうぜ」「そうだな」

…こんな感じの会話をしている人が沢山居たのでこころは気になった。

早く見るため走ってホームに向かう。

階段を手すりを持たずに走る。

「…ぇ」

ホームには少女の死体があった。

ハートが付いている謎のナイフが刺さっていた。

血が飛び散っている。

ホームは鉄のような匂いだった。

…その後ろに見ては行けないような物が見えた………


すると駅に謎の音声が響き渡る。

「何語?」

「どっかの言葉かしら?」

華は音声をしっかりと聞こうとした。

「…本当に何を言ってるの?」

周りの人々も驚いている。

駅から走って出ていく者がたくさんいた。

するとスピーカーが溶けた。

「…バグかしら」

こころはウエストポーチに手を伸ばす。

「え、え?え?」

華も驚いてこころを見た。

「…安心して」

階段の一番下の段に着くと繋いでいた手を離した。

こころは階段を上りハートを持った。

「…え?うん…」

華は階段の前の柱の後ろに隠れた。

何が起きているのかわからず、でも華には見に行く勇気も、逃げる勇気も無かった。

「こころ…大丈夫かな…?」

華は服の上からネックレスに触れた。


こころは走ってホームに戻る。

最後の段をのぼりきった瞬間にハートを持っている手を伸ばした。 

「変身!」

そう言い指輪をハートに付けて、タンバリンのように叩く。

するとこころの服が無くなり光に包まれた。

背景も駅のホームからキラキラの可愛い紫色の空間に変わった。

走りながらもう一度叩くと白いノースリーブのシャツを着ていた。

足をもう1歩進めると半透明の袖がつく。

こころは走る速度を落として回った。

袖の周りに土星の環のような物がついた。

白いフリルがついた紫色のスカートが揺れる。

スカートの下にはピンク色のタイツを履いている。

走る速度をさらに落としてステップを踏んでジャンプをする。

少し汚れている靴が水色のブーツに変わる。

着地をすると同時に右手で黒い髪の毛に触れる。

半透明の白い手袋がつけられた。

そして髪の毛の色がピンクに変わった。

毛先は水色で可愛いグラデーションになっている。

右側に三つ編みをしてあり、紫色のリボンでとめている。

左手を顔に近づける。

すると目の色が変わった。

大きな金色の星のネックレスがどこからか降ってきてこころの首についた。

こころは右手で三つ編みの上を撫でた。

三つ編みの上に王冠を被る。

こころはブーツで地面を力強く踏んだ。

すると駅のホームに戻った。

死体の後ろにいる見てはいけないような物が動く。

昨日のようにダークマターに入るのかと思ったが、バグは駅のまま攻撃をしてきた。

何本もこころに向かってハートがついた謎のナイフが飛んできた。

「うわっ!」

昨日のようにカラフルな見た目をしていない。

どちらかと言うと昨日のトイレで見たバグのような見た目をしている。

「ぎゃっ!?」

こころの近くにある柱にナイフが刺さる。

こころは慌ててその柱の後ろに隠れた。

ナイフが高速で投げられている音がする。

「ナイフのせいでバグに近づけないわ」

こころは柱から顔を出してバグの様子をこっそり見た。

運悪く顔にナイフが刺さる。

「…は!?」

こころの右目の近くから血が流れる。

でもこのままバグを放っておくと暴走して大切な物、人を失ってしまうかもしれない。

こころは左手でネックレスを握る。

右手の人差し指をバグに向ける。

ナイフに怖がらずに、攻撃が必ずバグに当たるように、震える人差し指で狙いを定める。

人差し指から少しだけ離れた所に小さな黄色い星が現れた。

その星から長くて大きなレーザーが出てくる。

風で髪が揺れる。

バグから煙が出る。

バグの見た目は何も変化がない。

「なんであの威力で死なないのよ…」

バグはまた沢山のナイフを投げてきた。

柱に戻る時間も与えてくれなかった。

こころの足元に飛んできた。

反射的にジャンプをして避けた。

変身前より高くジャンプ出来るようになっている事に驚いた。

「わっ!?」

こころは着地に失敗してバランスを崩してしまった。

バグはさっきより沢山のナイフを投げる。

こころは避けられなかった。

大きなナイフがこころの腹部に刺さる。

こころは痛みで揺れる視界をバグに向けた。

バグは溶けていた。

「…へ?」

息と驚きの声が口から漏れる。

こころは腹を押さえながらバグに人差し指を向けた。

「レーザー!」

再び星が現れた。

こころは腹から痛みを感じた。

腹を見てみるとナイフが溶けてきていた。

謎の黒い液体は傷口に触れて良いのだろうか。

こころはナイフを抜いた。

血と謎の液体が地面に流れる。

戦いの後、駅は元に戻るのかわからない。こころはそんなことを考える余裕も無かった。

バグは完全に溶けた。

こころはもう一度バグにレーザーを撃とうとした。

血に染まった人差し指をバグに向ける。

「こころ…!」

声がした。

こころは昨日と同じように気絶しそうになったが、声の方を見た。

「華…」

華はバグの方を向いた。

「私は…こころと皆を守りたい!」

こころは顔を上げた。

華の手が光る。

「何の光…?」

こころは驚いて華の手を見た。

華はハートを握っている。

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