幼なじみとのすれ違い
こころはまたトイレに行こうとしたが、昨日のように何かに巻き込まれたら怖い為、どこにも寄らずに帰ることにした。
科学部の次の実験はいつなのか、何をするのかを思い出す。
「今日は叶と帰れるかな…?」
スリッパを脱ぎ、下駄箱に入れる。
「このサイダーの缶…どこで捨てようかな」
今朝自販機で買ったサイダーだ。
自販機や学校の近くに缶用のゴミ箱は無い。
缶を売っているのに…
こころは缶をカバンに入れようとしたが、サイダーが溢れたらカバンが汚れてしまうので、右手で缶を持つ。
「その缶…公園で捨てれるよ」
後ろから声をかけられた。
「そうなの?」
近くの公園…月雅公園だろうか…?
振り向くと少女が立っていた。
「…こころ」
幼稚園くらいからの幼なじみの…
「…橘……華…?」
こころは驚きで缶を落とした。
大きな音がした。
ステイオンタブは折れて、中身が地面に溢れる。
「こころ…っ」
華はこころに抱きついた。
「…え?」
「約束…忘れたの?」
「約…束……?」
こころは約束を知らない。
というか名前以外思い出せない。
「ごめんね…その…私知らない…」
「覚えていないの?バンド!」
「バ……」
こころは少し思い出した。
今日の楽譜は華との最後の演奏の時の物で…あれ?こころはそんな事本当にやっていた?
「……ごめんね。私、覚えていないわ…バンドの事…」
「…ぇ」
華はこころから手を離す。
「私…こころと…」
華は手で自分の顔を覆う。
「本当にごめんね…もしかしたらバンドをしていたのは私じゃないかもね…!あ、でも華ちゃんの事は覚えているよ!」
こころはバンドは覚えていないが、華の存在、華の好きな食べ物、好きなゲームなどは覚えていた。
「私は覚えているの?」
「うん。アイドルが好きだったよね…たしか辛いカレーも好きで…」
そしてブドウジュースとサイダーが好きで…
「…そうだよ」
こころは華を見た。
華は顔を上げた。
「久しぶりに…一緒に帰らない?」
「いいよ!」
こころは華と一緒に帰るとき、いつもの道ではなく公園の近くを通り、公園のゴミ箱に缶を投げ入れた。
「ねえこころ。私と最後に会ったのはいつか…覚えてる?」
「えーと…小学…5年…生?」
こころは小学生の頃の記憶があまり残っていなかった。
「うーん…………そうだ!ネックレスは覚えている?」
華は制服で隠していたネックレスを第一ボタンを外して見せる。
そのネックレスはハートの形をしていて、シルバーブルーの色をしている。
少し汚れていたが、それでも美しくてとても綺麗。
「私…似たの持っているわ」
「…え?」
華は驚いてこころを見る。
こころは制服の胸ポケットからローズゴールドのハートのネックレスを取り出して、華に見せた。
「…そのネックレス…その色あるの…?」
「…え?」
こころはネックレスを見た。
「そのハートのネックレス…」
華は近づいてハートのネックレスをよく見た。
「しっかりとロゴも入っているから公式の物だけれど…そんな色…ないはずだよ…?そしてこころはゴールドのネックレスでお揃いにしたはず…」
「…じゃあこのネックレスは…?」
こころは怪しんで警戒しながらネックレスを見た。
「…間違えてピンクの絵の具とかペンキとか…かけちゃったんじゃない?」
「そうだね」
華はやさしい。こころの警戒を無くす為、話を反らした。
「最近涼しいね」
「雲の量が多いからね。」
こころはネックレスをしまい、空を見ながら再び駅へ歩きだした。
「…太陽久しぶりに見たいな」
華も空を見た。
残念な事に雨がポツポツと降ってきた。
「「…………」」
毛先から雨水が落ちた。
「そんな時もあるわよ…」
こころは慰めた。
すると雨はさらに強くなった。
すこし歩く速さを早くする。
2人は思ったより濡れずに駅に着いた。
何回も書き直してこれですよ!?
この回書くの難しいよ…(泣)




