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微子の憂鬱  作者: 日和見


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論功行賞

微子の憂鬱 第26話 冷徹なる誤算 牧野ぼやの血戦は、しゅうを中心とする反商連合の圧倒的な勝利で幕を閉じた。 王都・朝歌ちょうかの宮殿が焼け落ち、大王・帝辛ていしんが炎の中に消えた今、天下の覇権は完全に塗り替えられたのだ。 勝利の熱気が冷めやらぬ周軍の本陣で、私はかつてない高揚感に胸を膨らませていた。 決戦の直前、商軍の防衛線のど真ん中に飛び込み、兵たちの前で商の非を叫んだ、あの命懸けの演説。あの工作によって、商の軍勢の六割前後が瞬く間に周へと寝返ったのだ。誰がどう見ても、この易姓革命における最大の功労者は、私、微子啓びしけいに他ならない。(……思えば、長きにわたる遠回りであったな) 私は豪華な本陣の天幕を見上げ、誇らしげに唇を吊り上げた。 本来ならば、先代・帝乙ていいつの長子である私がこの国の王を継ぐべきだったのだ。母の身分が低いという理不尽な理由で奪われていた王位が、私の知略と正義の決断によって、ようやく正統なる血統へと帰ってくる。(巨大な商の領土だ。流失を防ぐためにいくつかの諸侯国に分割されはしようが……商の主要な土地は私が治め、従順な弟の微仲びちゅうや、降伏した辛の息子・武庚ぶこうらを配下として顎で使ってやれば良い。すべては、私がこの国の民草を正しく導くためなのだからな) そんな幸福な妄想に浸りながら、私は論功行賞の席へと着いた。 天幕の中には、勝者である周の姫発きはつをはじめ、重鎮や同盟の諸侯、さらには我が演説を聞いて寝返った諸侯たちや、最後まで抵抗して降伏した商の重鎮たちまでが、一堂に会していた。 だが――そこで読み上げられた戦後処理の沙汰を聞いた瞬間、私の脳内は真っ白になった。「――旧商の領地はこれを分割し、遺民の統治は、帝辛の長子・武庚に諸侯として任ずるものとする」 室内に、スラスラと官吏の声が響く。私はあまりの衝撃に、椅子の肘掛けを掴んで立ち上がった。「何故だッ!? 何故、私ではなく、あのような小童(武庚)が商の諸侯になるのだ!!」おかしい、有り得ない、呂望は言ったではないか私の決断で民も商も救われると、だからこそ私は弟を裏切り、無様な格好で商をあげつらい、周を賛美する演説をしたのだ!「答えよ!呂望!私を謀ったのか!」其処に冷たい声が「微子殿はお疲れのようだ外に連れ出し頭を冷やさせよ」と呂望が言う、隣の姬発を見てもまるで侮蔑するかの様な目で私を見ていた、私を捨て駒に使いやがった、と両脇を抱えられて私は退出させられた、その様子を旦は憤りながら見ていた、裏切り者とはいえ商や民の為に商に協力しあれだけの功績をあげたのに使い捨てとは、発兄も危ういな、鮮兄も同じだろう、早く排除せねば、姜子牙よ功績をあげても使い捨てられるならお前も排除されても仕方ないよな?

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