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第11話

第11話


「前に立つ者」



 爆炎。

 格納庫の扉が吹き飛んだ。

 硝煙の向こうから、黒い装甲兵が現れる。

 中央制圧部隊。

 全員が同じ仮面を付けていた。


「対象確認」


「識別コードG-13」


「確保を開始する」


 感情の無い声。

 リノが嫌そうな顔をする。


「うわ、嫌いこの喋り方」


 その瞬間。

 装甲兵の銃口が一斉に上がった。

 だが。

 ユリが一歩前へ出る。


「下がれ」


 短い声。

 次の瞬間。

 銃火。

 轟音。

 火花が格納庫を埋めた。

 リノが叫ぶ。


「うぉっほぅー!」


 だがギアは目を見開く。

 ユリが全部、防いでいた。

 オリハルコンの大盾。

 いつ抜いたのかすら見えない。

 重装甲の盾が、弾丸を弾き続ける。

 カレンが息を飲む。


「対戦車級まで防ぐの……?」


 ユリは答えない。

 そのまま片手で重火器を構える。


「伏せろ」


 低い声。

 直後。


「っははー!強っ!!」


 だが次の瞬間。

 追加兵力が入ってくる。

 数が多い。

 リノが舌打ちした。


「キリ無いって!」


 その時。

 カレンが端末を見て顔色を変える。


「待って……上層ネットワークに接続反応」


「何だ?」


 ギアが聞く。

 カレンはゆっくり振り返った。


「イリスです」


 空気が止まる。

 次の瞬間。

 格納庫全モニターが白く染まった。


《Defense authority rewritten》

(防衛権限を書き換えました)


 機械音声。

 だが優しい。

 どこか安心する声。


《Protect Gear》

(ギアを保護してください)


 その瞬間だった。

 格納庫内の旧型防衛機兵が、一斉に起動する。

 赤かったセンサーが、青へ変わる。

 制圧部隊がざわついた。


「馬鹿な」

「旧式兵器群が再起動……!?」


 リノがニヤッと笑う。


「イリスさんだねぇ、最高じゃん」


 ギアはモニタを見つめる。

 白いノイズ。

 だがその奥に、一瞬だけ彼女が見えた気がした。

 そして。

 小さく笑った気がした。




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