【042】クマさんに出会いたい!
委員会でクエストを受けた俺たちは、キャロットの近くにある森までやって来た。
今回受けたクエストは、最近農地を荒らしているウォウルベアを退治するという内容である。
討伐系のクエストは、Fランク以上ではないと受ける事は出来ないのだが、エディナが登録しているカードに【SR】があることと、ヒゲ紳士が口添えしてくれたお陰で俺たちも受ける事が出来た。
俺が内心でエディナのランクを上げたがっているのを見抜いたのか、ヒゲ紳士は協力的である。
委員会が結構適当なのか、ヒゲ紳士の発言力が高いのかは知らんが、受けれたのだからいいとしよう。
因みにウォウルベアとは、俺が転生して最初の日に出会ったクマさんのことである。
エディナの召喚カードの制限は解かれているし、その召喚モンスターは一撃でクマさんを倒している。
つまり、それほど危険なクエストでもないわけである。
そして、肝心のエディナはというと。
手に持ったカードを見つめてフワフワしていた。
「ねえ、ブル。本当に貰っちゃって良いの?」
エディナが手にしているカードは、ツクヨミにバッサリとやられてしまった【ピクシー】のカードである。
「良いも何も、召喚カードを持ってるとツクヨミの機嫌が悪くなるから仕方ないんだよ」
「……そっか。……仕方ないのね」
歯切れの悪いエディナではあったが、内心では嬉しそうである。正直言って、この世界のカードと比較すると【ピクシー】のカードは非常に可愛らしい。
昨日一人で買い物に行った時に少し見て回ったのだけど、召喚カードの中にエディナの持つモンモンのような動物的な愛らしさを持つカードはいくらかあった。しかし、人型のカードで可愛らしいカードというものは見かけなかったのだ。
だから、なおのこと【ピクシー】が貰えて嬉しいのだと思う。
この世界にはなかった、ただ一枚のカードなわけだし。
【ピクシー】よりも【SSR】の【偶然】の方が喜ぶと思ったけど、そうではなかった。
逆にこっちはレアリティが高すぎて、中々受け取ってはくれなかった。元々が銅の【白無垢】で実験の副産物だと言って、なんとか押し付けたのである。
魔王を目指している子が、そんなところで遠慮なんてしないでもらいたい。
謙虚で困るよ。そんなんじゃ、ますます好きになっちゃうじゃないか!
うんうん、そんな可愛いエディナには妖精シリーズを今後もプレゼントしていこう。
「でもさ、森の中を闇雲に歩いていて、クマさんに出会えるのかな?」
そう、森へやって来た俺たちは既に二時間近く歩きまわっているのであった。
「うーん。夜に農地を荒らしに来るみたいだから、そっちで張っていても意味はなさそうだし、地道に足で探すしかないのよね」
「足跡とかそういうのを追うんじゃなくて?」
「追ってるわよ?」
「え?」
「ほら、そこの地面に窪んでる部分があるでしょ?」
いやいや、全然わからんかった。フワフワしてるかと思ったけど、俺より全然しっかりしてた!
「結構動き回ってるみたいだから、正直この足跡がどのくらい前のものかわからないのよね。木に新しい爪痕とかも残ってないし、こっちはハズレだったかも」
うーん、さすがエディナさん。
「一度戻りましょうか。少し深くに入り過ぎちゃったし、戻る時間もあるから」
エディナがそう決断した時だった。
ブモオオオ!
巨大なオナラのような音が周囲に響きわたった。
なんだこの音? クマじゃないよな? クマってこんな鳴き方するっけ?
そう思っていると、前方の茂みが大きく揺れ動いた。
読んで頂きありがとう御座います。
中性的な新人に講習をしていて、いざトイレの場所を教えようとした時困ってしまったという話を聞いた。その人は慌てて名前を確認して判断したらしいけど、名前も中性的だったらつんでたよなぁと思った。
けれど、考えて欲しい。
もしショートヘアーでぺたんこのエルフが会社に入社してきたら、あなたは男か女か判断出来ますか?
俺はわかるね!匂いで!
きもっ!
でもきっとエルフの女の子は良い匂いがすると思うんだ。
……あれ?なんの話だっけ?




