↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫魔族の異世界社会見学【改稿版】黒猫になった俺がポンコツ魔王の娘を人間社会で教育してたら、世界を救う羽目になってしまった  作者: 5414


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/30

第28章 ワイバーン

俺と一緒に、山猫族の族長と砂猫が宿泊所の部屋に通された。

まだクワンリたちには会えていない。

早く帰って安心させてあげたいのだけれど、ここは大人しくしていなければならない。

二人を連れてきたから、俺一人の勝手な行動で危険な目に遭わせたくはない。


二人とも緊張している。

無理もない。対立する側の族長と、これから久しぶりに顔を合わせるのだから。


ドアが開き、軍服のような制服を着た一団が入ってきた。

白い顎ひげのキリッとした老人を囲むようにしている。


白ひげが族長だろう。


「久しいな、山猫よ。砂猫も元気そうではないか。そう睨むな」


砂猫が何か言おうとしたが、山猫族の族長に制される。


「この度は勝手なことをした。山猫様に挨拶がしたかっただけのつもりだったのだが、騒ぎを大きくしてしまった」


「この通りだ。すまない」


山猫族の族長が、ワイバーン族の族長に頭を下げている。

俺の仲間たち、クワンリたちの身の安全のために、下げたくない頭を下げてくれている。


「わかった。お互い、この件は事務方で処理をするようにしようではないか。それで良いか?」


「承知した。こちらは砂猫を代表にさせていただく」


「それで、やはり、このお方が伝説の山猫様で間違いないのか?」


「カメムシ城が反応したと、そちらの砂猫から報告を聞いたが?」


山猫族の族長が、カメムシ城での一連の出来事を説明した。


ワイバーン側に動揺が走り、驚嘆の声が漏れる。


「動かすことができるのでしょうか? 山猫様?」


ワイバーン族長が俺に問いかける。


俺は素直に答えてやった。


「起動はしたようだ。しかし、どうすれば動くのか俺にもまだわからん。それより一つ聞いていいか?」


「なんでしょう? なんなりとお聞きください」


ワイバーン族長は少し落胆した顔をしたものの、気を取り直したのか、ぎこちない笑顔を作った。

椅子から腰をかがめ、俺の顔の高さに合わせてきた。


「俺の仲間たち、旅の同行者たちは皆無事か? 俺の無事をすぐに伝えたいのだが、お願いしてもいいか?」


「そして、その中に老婆がいる。その老婆は神託ができる。その者だけでもいいから、先に会わせてくれないか? 船を動かす手がかりがつかめるかもしれない」


ちょっと山猫様の威厳を醸し出しつつ、一番気になっていることをお願いしてみた。


「承知いたしました。今すぐに」


ワイバーン族長が部下に目配せをすると、二名の部下がドアを出ていった。



なんとも気まずい、居心地の悪い空気が部屋を包んでいる。


山猫族長は表情が硬い。砂猫とワイバーン族の取り巻きは睨み合っている。

いたたまれない。こういうのは本当に苦手だ。


そんな肩身の狭い思いをしていたら、廊下が騒がしくなってきた!

懐かしい声が聞こえる。

懐かしいって言っても、三日も経っていないが。


ドアが勢いよく開く。


「ここか! ノル!! 無事か!!」


クワンリだ!


ん?

左手には、

ワイバーン族の一人を引きずっていた……。


部屋にいたワイバーン族の取り巻きが身構える。


「やめろ!!! その女は馬鹿力女で方向音痴で、しかも強い! 手を出すな!」


「手を出すなら、俺は協力しない!!」


クワンリに走り寄って飛び移る。

オッサンに抱かれていたショックを、今癒してもらう。

ゴロゴロが勝手に出てくる。

恥ずかしいが、フゴフゴまで言ってしまっている。


クワンリの肩越しから廊下が見えた。

サルマとオババが、少し離れたところから小走りで近づいてきた。

皆無事で良かった。


フゴフゴ、ゴロゴロがやけにうるさいが、もう止まらない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。