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ガミリア共和国 第41話 北門の英雄④ 瓶創製・1/7 湿地の調査  (北門の湿地)

 俺達3パーティーは、いつもつるんでいる。

 毎日一緒に狩りに行くとかじゃない、それもあるが、まあ飲みダチだな。

 北門が閉鎖され、東門に来たが、ここは新参者に優しく無かった。

 狩場を占有されるのは当たり前、後から来たパーティーに狩場から追い出された事もある。

 そんなパーティー同士が一緒になれば、自然と飲みダチになる。

 効率は悪いが、3パーティーいれば狩場を奪おうとする者もいない。


 そんなこんなで、やっと食っていられたのも、ポーションが無くなる前まで。

 なぜか、急激に低級ポーションの流通が悪くなる。

 東門のやつらが、工房やギルドから買い占めを始めると、一気にポーションが消えた。

 それでも、俺達は多少の在庫を持っていた。

 森の入り口付近なら、危険な獣も魔獣も出ない。

 だが、それも甘い考えだった。

 早々に、東門のやつらに追い出される。


 狩場を失った俺達は、商人の噂にかけた。

 「どうやら北門の出入りが出来るらしいぜ」

 「無理だろう、館が閉鎖したんだぞ。

 開けたら重罪、それでも開けたのか?」

 「そう思うだろ。

 だがよ、北門の肉屋にも港の肉屋にも”オーク肉”があるんだぞ。

 どう思う」

 「それは本当か?」

 その商人、実際にオーク肉を持っていた。

 北門から少量だが買い付けて来たと言う。

 俺達は、生まれ育った北門に帰る事にした。


 戻った俺達は、信じられない光景をみる事になる。

 扉の一部が開いているのだ。

 聞けば、通行料を払えば通してくれると言う。

 ポーションがある分だけど、俺達は狩りをする事が出来た。

 なんと、ギルド以外の店がほぼ戻っていたので、解体や買取に困る事は無かった・・・ポーション以外は。

 そこに、また信じられない噂が流れて来た。

 「北門の近くに大きな建物があるだろ、そこで炊き出しを明日からやるらしい」

 「いや、そこは”工場”というんだ。

 炊き出しじゃなくで、ポーション瓶を作るんだと」

 「そうそう、瓶を大量に作るから人手がいるとか言っているぞ」

 俺達もポーションは、瓶が無いので作れないと聞いていた。

 スライムを集めて工房に、売ろうかと思ったが、そのスライムが居ない。


 俺達は、早朝、まだ暗いうちに工場を目指した。

 炊き出しがあるのなら、ものすごい人が集まるだろう。

 この予想は、当たっていた。

 工場に近づくと、人が溢れている。

 何とかかき分け、工場敷地に入る事が出来た。


 そこには、見知った同業者が会場造りをしていた。

 聞くと、昨晩から相談していて寝ていないと言う。

 なにか手伝いが出来るか?と聞くと、人を並ばせてくれと言う。

 準備が出来るまで、人混みを整理していく。

 次第に増える人混みと喧騒。

 そこに、門番の爺さん達が駆け付けてくれた。


 受付が始まり、人混みが次第に消えていく。

 工場に勤める者、一旦帰って相談する者、あきらめて帰る者。

 ごねて元騎士団に締め上げられる者。

 手伝った礼だと食堂に来た俺たちは、朝食を食べながら相談する。


 結果、俺達は、7日間工場で働く事になった。

 血判状?のパーティーリーダーから仕事が言い渡される。

 北門の外、広場の脇に枝や葉を燃やしていた場所の奥に湿地がある。

 それの調査。

 急に深くなる前に、目印の赤い布を付け、棒を建てる仕事。

 それに合わせて、スライムを収集する。


 血判状?のパーティーは、受付から離れられない。

 俺達3パーティーが、やる事になった。

 大きさがバラバラのスライム袋を渡され、門を通れる(無料)様になった。

 さて、目印の棒・・どうしよう?

 メンバーが、城壁から海沿いに行った所に竹林がある事を思い出した。

 たまに森狼や猩々がくるが、3パーティーが居れば襲ってこないだろう。

 次に、赤い布?

 これも常備している”赤いリボン”を使う事にした。

 森で迷子にならない様に、所々にリボンを結び目印にする。

 血判状のパーティーからもリボンを回収して、北門を出る。


 しばらく歩くと竹林が見えて来た。

 「何本いるんだ?」

 「言われたのが、1000本まではいらないだろう、だと」

 「まじか」

 時折、森狼や猩々が来るが、こちらの人数をみて襲ってくる事は無かった。


 昼前にそれほど大きくない竹林を刈りつくす。

 「数は280本かな、全然足りないな」

 「他の竹林は、森の奥にあるけど」

 「まあポーションが無いから無理だな。

 これを立てながら、スライムを捕まえる事にしよう」


 広場に戻り、奥に行って見る。

 「ここいらは、いつも火を燃やしていたから近づいた事もなかったが、見事な湿原だな」

 みんな、火事で燃えて出来た草原だと思っていた。

 広場の奥、森に入るとぬかるみ始める。

 足を取られながら進む。

 「急に深くなるそうだ、竹を差しながら進んでくれ」

 忠告もむなしく、2人が深みにはまる。

 どこが深いのか分からないので、ロープを投げ引き上げる。


 それからは、広範囲に広がり、前を突きながら進む。

 2m間隔で、竹の目印が立っている。


 昼になる頃。

 「一旦スライムを、工場に持っていく」

 100匹程とれた。

 「もうスライム袋が無いぞ」

 「それも聞いている。

 帰りに麻袋を持って来るから、誰か来てくれ」

 「それで、竹が無くなったらどうするんだ?」

 「ここに生えている邪魔な葦は、使えないか?」

 「太い物なら使えるか」

 湿原をまたいで森狼や猩々は、来ない。

 俺達は、葦刈班、リボンを付けて配達班、足元調査班に分かれて作業していく。

 夕方、リボンが無くなり作業終了。


 血判状のパーティーリーダーに報告すると。

 工場の従業員に通知される。

 ”明日赤い布を持って来てほしい。

 目印にするので、厚い布は不可。

 赤ければ、無地でなくても可。

 2mx2mで評価5とする”

 次の日、古着の山が出来ていた。



 それからは、湿地の調査、スライム収集、薬草採取、ポーションを貰って狩りと忙しく働く事になる。

 血判状のパーティーも、受付が少なくなると俺達と合流。

 工場の食事が、干し肉から捕りたて肉のソテーと変わっていく。

 北門外の湿地。

 調査が進むと、実態が見えて来た。


 この港湾都市は、大規模な土石流により海の岩礁が押し出されて出来た。

 最初は、川の脇に出来た漁村だったが。

 大きくなるにつれ、大雨や高潮で村が被害を受ける。

 そこで、村を移転する事になる。


 候補は、2か所。

 川を挟んで、森側とその反対。

 最初は、森から魔獣が出るからと広大な草原に作る案が優勢だった。

 しかし、海が荒れ川が氾濫すると、肉や魚の流通が止まった。

 数日で収まっても、川の水かさは減らない。

 森での狩りを阻止する。

 荒れたあとの漁も、たいした量にならない。

 食料を確保する為、森に隣接して町を作っていく。


 森にも川はある。

 ただ、大きな川は無く、せせらぎ程度の川が5本。

 それが湿地に集まっていた。

 湿地の形状は、丸いウィスキー瓶に似ている。

 取り出し口に3本の小川が合流。

 2本は、森の奥から瓶の脇につながっていた。


 湿地は、ため池のように一旦保水しながら、地下へと浸透する。

 水圧で、海へと流れていく。

 瓶の中央付近に、北門の広場が作られていた。

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