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ガミリア共和国 第21話 衛兵隊の牢              (行程表 王子・ぼう)

 王子とぼうの前に、きしと兄さんが来ているのだが、それだけではなかった。姉さんも来ていたのだが、それぞれが会うことは無かった。

 途中の漁村でも会ってはいない。王子達は漁村に泊まり、きし達は、街道から少し入った騎士団の小屋に泊まっている。

 王子達は、夕方買えなかった村人と売り買いしてから出発する。

 きし達は、食事を終えるとすぐに、次の小屋を目指す。

 同じ漁村でも、場所と時間がずれているので、すれちがってしまう。


 夕刻、ナバリアの城壁に到着した王子達は、門番(衛兵)に問い詰められていた。

 「行商人だな、ギルド章を出しなさい」

 「いえ、行商人ではないのです。だからギルド章は持っていません。ここには、騎士団に用があって来ました」


 荷馬車と幌馬車の荷物を見て来た門番が、近づいてきた。

 「こいつら怪しいですよ。荷は干物です、この先の漁村から仕入れて来たのでしょう。ここで売るつもりでしょうから、行商人でないというのが無理でしょう。」

 「いえ、この荷馬車は・・・」

 と、これまでの経緯を話すが、次第に状況が悪くなる。


 「お前らのいう事は信用できない。

 それでも分かった事がある。

 街道で会った行商人と護衛。それに絡んでいた盗賊と謎の凄腕達。

 行商人が襲われたという報告も、盗賊が討伐されたという報告も無い。

 がだ、お前たちが荷馬車と幌馬車を持ってきたのは、事実だ。


 そこから考えられるのは、盗賊は誰かに討伐されたのだろう。

 お前たちは、偶然盗賊のアジトを見つけた。

 そこで荷馬車と幌馬車を見つけて、ナバリアに来た。

 ここまではいいな?・・よし、次だ。


 怪しいのが、なぜ途中で行商人の真似事をしてきたか?

 なぜ、われら衛兵ではなく、騎士団に行こうとするのか? 


 お前ら、ここを抜けたらその荷を売って、どこかに逃亡するつもりじゃないのか。・・・・違う?その必死な顔がさらに怪しいのだが。

 いいだろう、これを騎士団に報告する。状況が分かるまで、牢で待っていてくれ」

 王子とぼうは、衛兵の牢へ。

 荷馬車と幌馬車は、荷が腐ると困るので商業ギルドに預けて売却してもらう(安値で買いたたかれた)。馬と荷馬車と幌馬車は、後日引き渡されるが、馬の世話料と荷馬車の保管料で荷の売買代金が消えていた。


 「あにき、俺たちどうなるんですか?」

 「どうにもならないかな。騎士団との話がどうなるかな」

 「そんな悠長な」


 翌日夕刻

 「騎士団から返事が来た。担当の小隊とギルドの討伐隊が、もう出ているそうだ。それで、お前たちが嘘を言っているかわかるだろう。帰るのは来月になる、それまで待っていろ」




 翌月3日、牢の衛兵から、昨日の夕方、騎士団と討伐隊が帰って来たと言われた。数日後、騎士団から報告が来るだろうから、それでお前たちの処分を決める事になる。



 5日昼過ぎ、数名の衛兵が牢の前に立つ。

 「騎士団からの報告だが、・・まあいいか。お前たちに言っておきたい事もあるから、良く聞くように。


 お前たちに言ってあると思うが、騎士団と冒険者ギルドの冒険者達で、無事盗賊は討伐された。その後、アンデッド対策として、焼却処分してきたとある。その証拠として、ショートソード・盗賊の衣服を数点持ってきた。それは、こちらでも確認してある。

 その後、盗賊のアジトを調べたのだが、何もなかったと報告されている。


 騎士団では、騎士団で盗賊討伐をしている間に、お前たちが持ち出したのだろうと言っている。

 そこで、お前たちの身柄は、騎士団に預ける事になった。

 なにか、いう事はあるか?」

 この後、王子は日にちを書き、それぞれの行動を示していく。

 「このように、おれらが荷馬車を盗む事は、日にちから見て無理なんです」


 それを聞いた衛兵、”そんな事は知っている”と、訳知り顔。

 「残念だが、これは決定事項なのだ。本日夕刻、騎士団へ移送する」

 

 衛兵は、一人を残して帰っていく。

 「可哀想なのだが、上の都合もあるから。不運だったとあきらめてくれ」

 荷馬車は取り上げるは、持ち物も全部取り上げられて、さらにあきらめろと言う。


 こんな状況でも冷静でいられる、さすが王族なのだろう。

 「すこし、話せるだろうか」

 「・・まあいいか。どうせ暇だし。ただ、話せる事とできない事があるよ」

 「そうですね、わかりました。話せる事だけお願いします」


 「あの人は、衛兵長さんですか?」

 「そうだよ、この隊の隊長さ」

 「衛兵長さんが、ここに入る前に、”担当の騎士団が行っている”と言っていました。」

 「そうだね、僕もそこにいたよ」

 「騎士団は、なにか知っていて盗賊討伐に行ったのですか?」

 「そこは、聞いていないけど。うちらで噂になっているのでいいなら、話せるけど」

 「それでお願いします」

 「実は、錬金ギルドの受付嬢が、騎士団に拉致されたと噂になってね。その受付嬢と付き合っているのが、うちの衛兵だとさらに噂になったんだ。


 その受付嬢、盗賊団に情報を流していると言うので拉致して取り調べしていたそうだ。それが、突然釈放されたというんだよ。

 盗賊団の情報と引き換えに釈放したと、騎士団は言っているんだとか。


 まあ、それが嘘かホントかどうでもいいんだけど。騎士団は、受付嬢に情報を流したのが衛兵からだと思っている。というのがこれの真相みたいだよ」

 実に簡単に、裏側を話してくれる。


 「あにき、これって」

 「そうだろうね。無理やり辻褄を合わせて、俺たちの仕業にすれば、騎士団も衛兵隊も、横やりを入れる者はいない。臭い物に蓋をする、という事だろう」

 「そう、だからね。君たちも、変に騒いだりして欲しくないんだよ」

 「俺たち、これからどうなると思います?」

 「そうだね・・今まで通りなら、騎士団の牢に入れられて、放置するでしょね。衰弱して、声も出なくなったら縛り首だったはず」

 「あにき・・」

 いやに落ち着いている王子。それを見て安心していいのか不安なぼう。

 王子が思うに、牢からでる可能性は”0”ではなかった。


 貴族派の草は、この状況を知っているだろう。待っていれば、なにかアプローチしてくるだろう。


 夕方遅く、辺りが暗くなり始める頃、移送用の馬車に乗った王子と棒は、騎士団へと連れ去られて行った。

行程表★★ 王子・ぼう


4月 行程など

1日 周回船が湾岸都市に入港・宿替え

2日 早朝出立、ナバリアへ

3日 第1の川の前で、盗賊と暗殺者達と遭遇

   暗殺者達は、漁村で怪しい者が居ないか

   を調べていた。軽量の馬車は漁村間を1日で

   移動できる。ナバリア到着は11日

   12日ナバリアの草と情報交換

   この時点で情報が小隊長に入る

   13日小隊長と出立

   20日夕刻騎士団小屋に到着

     21日小隊長は盗賊達の処理

     24日処理が終了

     25日朝きし達と合流

     翌月2日夕刻ナバリア着

   21日港湾都市到着

   途中、王子とは15日に街道ですれ違っている


   海岸近くに大きな小屋を見つけ泊まる

   翌朝、荷馬車と幌馬車に乗込み漁村へ

10日 夕刻、第4の川最初の漁村に泊まる

12日 夕刻、第5の川の漁村に泊まる

14日 夕刻、第6の川の漁村に泊まる

16日 夕刻、第7の川の漁村に泊まる

18日 夕刻、第8の川の漁村に泊まる

20日 夕刻、ナバリアに到着

    そのまま衛兵の牢へ

5日 騎士団へ移送

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