表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/28

フリードリッヒ王国 第12話 ガミリア共和国          (登場人物紹介 ぼう)

 門番に金貨を渡すと、急いで城壁から離れる。

 通常、門から出る者は簡単に身分を調べるだけで終わる、その手間と時間を無視する為である。

 また王子は、まだ町にいると思わせる役目もあるのだが、こちらは賄賂横行が多い為、偽装の役に立たない。

 閉門が近いのだろう、数名の門番が閉める準備を始めていた。




 「悪いが、一旦海に出る。そこでこれからについて話し合おう」


 急いで移動し、暗くなって辺りが見えなくなると野営の準備を始めた。火が使えないので、干し肉と保存できる固いパンを口にすると、見張りを残し交代で休む。


 朝早くから暗くなるまで歩き、二日で隣国の港湾都市に到着した。

 フリードリッヒ王国と隣国は、ほぼ同じ経緯をたどっている。村々を支配して領地を拡大後、海に到達するとそこに町を作り大きくしたが、王国と同じくそこも独立している。


 フリードリッヒ王国と隣国は、境界の村々をどこが支配するかで揉めていた。当然、独立した港湾都市とも仲が悪い。

 残った、隣国の港湾都市は、どちらともいえない状態になる。


 裏通りの目立たない宿をとった王子達は、周囲の確認をする様に、港や町の繁華街を歩き、情報を集めていた。

 問題は無いようなので、荷を解きしばらく滞在することにする。


 夕食後。一部屋に集まった。

 「今日、草の一人から情報をもらった。」

 「草ですか?」

 「草は、どこにでもあって目立たない。という意味だ、王国が情報収集の為、各地に入れている者の事だよ。」

 「わかりました、でもその人、安全なのですか」

 「そうだね。草を取りまとめているのが宰相なのだが、草になっているのが宰相が集めた者だけじゃないと言う事なのだよ。ここに数名いるのだが、国王派が2名、貴族派が1名で、貴族派の草と連絡を取ってみたのだよ。

 草がどの派閥なのか分かるのか、という顔だね。主だった都市には数名の草がいるのだが、全部が国お・・いや、宰相派にならないように、貴族派で調整しているのさ、草は腕に刺青をしていているから、その模様を見れば分かる。貴族派は、さらに別の所に刺青を入れてあるから、分かるようになっているのだよ」


 「じゃ、今の王都がどうなっているのか、分かったのですか」

 「王都は、いつも通りだね。ただ、王宮では混乱しているようだ。私たちが姿を消したからね。それも、ここを出たら連絡がいくようになるだろうから、落ち着くと思うよ」

 「そうですか、では、今後ですが竜はどうするんですか?」

 「竜討伐は、やらなくては駄目だろうね。では、今後はどうするのか、説明しておくよ」


 「一つの方法として、竜を無視して遠い所まで移り住む。というやり方だと、正体がばれた場合、また移動しないといけない。

 どこに行っても根無し草のように、すぐに移動できる状態でいなければだめなんだよ」

 「悪人がコソコソ逃げ回っているようで、嫌ですね」


 「それじゃ、私だけどこかに行ってしまい。君たちは戻るのは、どう思う」

 「うーん、良いようですが事情を知っている俺たちを、宰相が放置できないのでは」


 「だとすれば、宰相をあてにしないで、このまま討伐。その後、立派に凱旋すればどうだろう」

 「なるほど、国民がみんな知っていれば討伐した英雄を、むやみに闇討ちできなくからですか」

 「そのあと領地をもらって、楽隠居ですか?」

 「ははは、そんな事を宰相が許すはずがないだろう。どこかに軟禁して、そうだね三年程たったら、王子は病気になり亡くなったとか言って、盛大に国葬してくれるだろうね」

 「だったら、討伐も意味がないのでは?」

 「王国では、兄さん達が国王派と貴族派で、争っているのは言っただろう。

 討伐後、凱旋して英雄になった私は、貴族派と合流して宰相を追い出すのさ。兄には、王位を譲ると言ってね、これならどうだい」

 「ああ、それで竜討伐が出てくるのですね」

 「それなら納得です」

 「竜を無事倒して、王都に戻りましょう」




 みんなの理解を得た王子は、島を周回している定期船の乗船券を購入してくる。

 「明日、港に来るそうだ。出港は三日後の正午、もしもの場合があるから、みんなに乗船券を渡して置く。これからの行程を説明するからメモを取らずに覚えてくれ」


 これから宿を引き払い、二名一組のパートナー毎に別々の宿に移動する。


 出港までに、各自が旅が単独で出来る装備を調えておく。これは、バラバラになり一人になった場合でも、慌てず行動できる準備だ。



 これから向かう隣国について、少々教えておく。


 隣国は、四つの城塞都市がまとまった共和国となっている。


 鉱山都市、ガルムンド。竜の山のすそ野に大きな断崖がある。その断面に各種の鉱石が見つかってできた町になっている。竜の被害が出始めると、町を坑内に移し、さらに拡大して鉱山都市となっている。洞窟の中なので、竜の被害にあうことは無い。

 最終的にここを目指す。ここから山に登るのだ。


 農業都市、イルミス。フリードリッヒの王都に似た町になっている。ここは、装備を補充するだけになるだろう。


 港湾都市、ナバリア。岩礁の終わった先にある。ここに行く前に降りるから、寄る事は無いだろう。


 交易都市、ブルジア。ガルムンドの断崖が終わる辺りから、魔獣が住む森がガルムンド方面へと伸びている。ガルムンドとイルミスの中間で折り返して、そのまま海まで広がっている。

 この折り返す場所に、商人達がお互いの品を売り買いする交易所を造ったのだ。そのあと、交易所を襲う魔獣対策に、冒険者ギルドが作られ、魔獣の肉も取り扱う事になったんだ。

 次第に大きくなり城塞都市にまで大きくなったんだが、冒険者が多くいるのと、色々不正な品も扱うようで、治安が一番悪い都市になっている。


 この四都市は、お互いが不足する物を補完しあっていたので、相互無関税から始まり、大型魔獣の討伐協力、相互安全保障と連携を強化していった。

 最後には、共同統治と進み、四国交代で元首を決めている。


 それが、《ガミリア共和国》。一文字ずつくっつけたと言われている。


 次に行程だが、船に乗り隣国にはいると、海岸が岩礁地帯に変わる。かなり長い岩礁だが、途中五か所が切れていて、そこは漁村になっている。岩礁地帯が終わると、広大な入り江が現れる、そこが港湾都市バナリア。その先は、森となっている。


 船を降りる場所だが、岩礁の間にできた漁村に降ろしてもらう。村に用があると言うと小舟を出してもらえる、ただ、乗る距離が短かくなっても返金はない。

 同じ漁村では降りないようにしてくれ。村の住民も乗っているだろうから、それに合わせて降りてくれればいいだろう。いなければ、ナバリアまで行ってもいいから。


 船はこの島を周回している。草が乗り込んでいなければだが、どこで降りたかわからない様にするためだ。もっとも、すべての漁村で待ち構えていれば別だが。


 下船したら、イルミス、ブルジアで装備の補充をして。最後にガルムンドに向かい拠点を作る、何度か山の調査後に討伐隊を結成して、竜に挑むという計画になる。


 もし、何らかのアクシゼントが発生して、パートナーとはぐれてバラバラになった場合は、ブルジアの冒険者ギルドに行き、それとわかる依頼を出すように。そこで、パートナーと集合後ガルムンドを目指す事にする。


 冒険者ギルドだが、ここは少し変わっている。

 四つの都市が小国だった為、それぞれに独立した冒険者ギルドがある。共和国となっても、協調せずそれぞれが独立して活動している。情報の共有はしていない。


 ガルムンドに先に到着した者は、ギルドで依頼を見る様に。依頼を見れば、状況が分かるようにするのだ。あれば合流、なければ依頼を出すという流れだ。


 多少の質問があったが、みんなの理解を得たので宿を引き払う、今後は同室の二名がパートナーとして一緒に行動する。

 他の仲間とは、町でも船に乗っても、挨拶程度で話し合ったりしない事にした。

 ☆王子・ぼう

 ☆きし・兄さん

 ☆姉さん・シスター




 次の日。


 旅の買い出しをしていると、王子が隣の店に入って行った。

 特に不自然な動きでもないので、なにかいい物を見つけたのかな。と思いそのまま買い出しを続けていた。


 しばらくすると、王子が入ってきて、すれ違いざま。

 「静かに」

 そう言うと、手に紙片を押し付けてきた。


 ”つけられている、私が狙いのようだ。これからまくので、宿から私の荷物も持って、この宿で待っていてくれ”


 去っていく王子、港の市場で人ごみに紛れてまくのだろう。


 変に慌てると、怪しまれる。まだ途中だが、選んだ品の支払いを終えると宿を目指す。

 周囲をそれとなく探るが、怪しい人影は無い。屋台が並んでいる、丁度いいと昼食を買い込み、宿に持っていく。


 宿に入る前に、さらに周囲を探る。つけてきた者は、いない。


 部屋に戻り、荷物をまとめていると四人が帰ってきた。

 廊下に誰もいない事を確認して、姉さんとシスターを兄さんの部屋に入れる。


 怪訝な四人に、王子のメモを見せると理解したようで、ジッとぼうを見つめていた。

 「これから宿を出て、この宿に移る。もうここに戻れないだろうから、王子に言われた様にしてほしい。最悪、船にも乗れないだろう、その時は陸路を行くことになる」

 うなずく四人を残して、ぼうは荷物を背負い宿を出て行った。宿賃は、前払いしてあるので、宿が騒ぐことはないだろう。


 指定された宿で待っていると、暗くなってから王子は入ってきた。かなり疲れた様子。屋台で買った昼食をだすと、何も食べていなかったのか無言で食べていた。


 「これからどうするんですか?」

 「疲れたので、仮眠する。早朝、明るくなったらすぐにここを出る。どうやら連中、本気のようだ。人気(ひとけ)があっても、小刀を突き刺してきた」

 市場で襲われたようだ、これは船にのる処ではないな。


 早朝、城壁の門に移動。門番に金貨を渡して門をすり抜ける隙間まで開けてもらう。


 追っ手をまくため、港湾都市ナバリアを目指す。さらに船で移動すると見せかけるのだ。



 きし達は、つけまわれる事もなく無事に船に乗る事が出来た。


 それぞれの冒険が始まる。

登場人物☆☆ ぼう。のちに《ボノイム》と名乗っている。

 フリードリッヒ王国より竜討伐に派遣される一員。


 ある日、爺様に大男が会いやっている。爺様と冒険者パーティー仲間だった大男ギルマスにあるパーティーに入れと勧誘され、なにも知らされずに王都にきた。そこで知った竜討伐だが、それを知っているだろう爺様が許可したのだからと、悩む事も無く隊に加わった。


 隣に住む爺様は、大の孫好きで、猟には必ず孫を連れて行っていた。狩りに興味を持っていると分かると、自分の技術を惜しむ事無く教えていった。

 小型の獣の狩りや罠の設置が出来る様になった頃、大男が現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ