FILE26 勘違い、誕生日
「実は、希さんが誕生日なんだよ……。」
創のセリフにだからどうしたと言いたい悠志とえぇぇと言ってしまう飛夜理で、やはりなんだか良く分からない二人だ。
「そんなわけでだ、2人に頼みがあるんだよ。」
この創が言ったセリフに二人は声をあげたと言えば正解だろう。
「このとおり!!」
珍しく創が頭を下げるものなので、なんても言えないくらいの罪悪感に駆られてしまった。
「………まぁ、いいですよ。ハードじゃなかったら、なんでも。」
「本当か!!ありがとうよー!!もあ!真吾!許可降りたぞ」
創がいうとへいへい、と言った拍子に現れたもあと真吾の二人が飛夜理と悠志を掴んだ。
先程の叫び声に驚いて、恐る恐る愛歌は創に事情を聞いていた。
「希…………相変わらず物好きですね。」
「お前も同類だと思うぞ。」
「は?…………くそ、村が狭いことを祟りたいわね。」
女子がそんな口調使うなと創に突っ込まれはしたが、まぁ愛歌は気にしないのだ。
「ただ、つくづく思うのは、『なんであいつだったか』だよな。」
「なんでって………。そんなの、創先生には関係ない」
「でも、俺やもあはお前らの兄弟みたいな存在だろ。」
そうだけど、と愛歌は言葉をつまらせた。創はにやりと笑うと「ま、ちょーっと変なとこが愛歌らしいけどな」と言った。
そんな話をしているうちにもあが用意出来ましたよと呼びに来た。
「どや!私のメイク技術!…………は、女装の時しか使われない………。」
なんて言うもあの後ろにもう慣れきった顔をした飛夜理と悠志がいた。
「…………。」
愛歌は特に口を開くことなくカメラのシャッター音が聞こえた。
「ちょ………愛歌ぁ………!」
「可愛いもん。飛夜理……。」
へ?と飛夜理は首をかしげていた。その上、愛歌らしくない言葉に全員目を丸くしていた。
「愛歌、さん………?あ、あの、何を言って居られるノデショウカ……?」
「?………何って、そのままの意味………だけど……。」
わなわなとテンパる飛夜理に愛歌はきょとんとした顔で答えた。そして、「もちろん、悠志も、可愛い」と付け足した。
それを聞いた創はポンポンと飛夜理の肩を叩いた。
「先生。やっぱり、俺、なんか………………なんでもないです」
「どうなんだよ。」
創は飛夜理が壊れ始めてる………と内心ぼやいた。
そして、ぴょっこり現れたもあが、不思議そうな顔をして創にこう話しかけた。
「先輩、どうかしたんですか?」
「いや、なんでもない」
「いやいや。なんでもないわけないでしょ………。珍しいですよ、先輩がそんな顔するなんて。」
もあが言うと創は観念したのか、「飛夜理も不憫だなぁって………」と言った。
「…………前からですよ、あれは」
「そういうもんか……はぁ」
創はうつむいて深いためいきを吐いた。




