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FILE24 教師の日常

 楽しかった秋祭りも終えて、少し気持ちがふわつくこの頃。教師たちの雰囲気も少し浮ついていた。


「あー。もう授業めんどくせぇー」


 もあが身体をエビ反りにして天井に向かって叫んでいた。そう言わず、といいながら真吾は隣で何かをパソコンに打ち込みながら言う。


「もうすぐ考査だろうが。」


 そう。もうすぐ学園では期末考査があるのだ。


「あー、もうそれもやめやめー!!全員進級!!もう決定ぃ!!」


「もあ、それを下界では『給料泥棒』って言うんだよ。」


 べつにそれでもいいし、と反発するもあに流石の真吾も呆れていた。


「まぁたやっとるのか。あやつらは。」


「そうですね。」


 くっくっくっと笑いながら二人を眺めていたのは理事長、智ノ科と副学園長、律だった。

 割と秋は春の陽気のような暖かさになる村は五月病のようなものが流行るのだ。そして、よりにもよって期末考査の時期なのだ。


「お疲れですか?」


 偶然荷物を持ってきてくれた優がニコニコ笑ってそうもあたちに問う。


「おう。おつかれだな。主にもあが。」


「じゃあ、そんな時には……わさびが目覚ましになりますよ!」


 それは優だけじゃないだろうか、と言おうとする真吾を余所に、もあは「ふむ、生わさびか。」とぼやいていた。それを聞いた真吾は、末期だなと思っていた。


「お前、あんまり妙なことを考えるなよ」


 幼なじみだからこそわかる、もあのおかしな情緒に真吾はそう言っていた。

 わかってるよ、ともあは言う。だが、この状態ではやりかねない。昔、同じような時期に希がもあに元気を出すように水風呂に入れば?と話し、本当に実行したもあが翌日から風邪を引いて一週間は外に出れないなんてことがあった。


「はぁ」


 ついつい真吾はまたため息を吐いてしまった。


「ふふふ〜♡希姐さんの〜ランチ配達で〜すよ♡」


 その声が聞こえたとたん、ため息を無かった事にするかのように、真吾は両手で口を押さえた。


「こんにちは。希先輩。」


「希姐さぁん、やる気が起きないです」


 もあの台詞にあらあら、と希は首を傾げ、困った表情をした。


「11月病かしら………?」


「11月病?」


 真吾はあぁ、始まった希劇場………と心の中でつぶやいていた。


「そうよ………。あれは恐ろしい病気なの………。人に取り付き瞬く間に人間を駄目にするという、恐ろしい……!」


 希の表情は真剣そうだった。こういうことをあっさりもあは世間知らずが祟り、信じてしまうことが多い。


「はいはい。仕事しましょーや。」


 真吾の台詞にもあは仕方ないなぁ、と言いたげに仕事をまた再開した。


 だが。二人揃ってその集中力は五分として持たない。


「「ああああああああ!!!!」」


 午前中同様、もあと真吾がエビ反りになっていた。いかん、このままではまた乗せられる………!と思いながらも真吾は疲れのせいかすっかり脱力状態になった。


「もうダメだな、俺達………。午後の授業が体育だけでよかったぜ………。」


「全くよ。今授業したら、私達死ぬわよ。」


 全校生徒は十二学年(+幼稚園)で、約十八人の学園に対し、教師は十人を切っている。そのおかげかそのせいか、中等部高等部あたりになると、自習時間が増える。代わりに体育は十八人の生徒総出で行われる。幼稚園児もいるからか、ほとんどこの時間は体育ではなく遊びのような状態になる。

 そんなこともあり、もあと真吾は職員室に2人でいた。外からは賑やかな笑い声やなんやら。それを聞いているとなんだか、平和だなぁと思っていた。


「昔、俺達もよくこうして遊んでたよな」


「あれ、よく考えたら授業なのにね。」


「そうそう。」


 二人が懐かしい昔話をしていると、喋り疲れたのか十分程度でぐっすりと眠りに落ちた。


「これでも二人は教師かねぇ………。」


 智ノ科ははぁ、とため息を一つ()くと、どこか呆れた顔をしてブランケットを二人にかけた。


「まぁ、たまにはこんな日も良かろう。」


 そう言って智ノ科は微笑んでいた。

 後日には、律に怒られてしまう、二人はどのような顔をするかのう、と少し悪戯な笑も中にはあったのかもしれない。

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